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【話の肖像画】作家・篠田節子(64)(13)内向き志向の若者に危惧

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(荒木孝雄撮影)
(荒木孝雄撮影)

 《『肖像彫刻家』(平成31年)は“イタリア帰り”の売れない彫刻家が主人公。男の作品をめぐって起こる騒動を描いたコメディータッチの連作小説だ。芸術、ホラー、宗教、介護…。これまでの篠田作品のエッセンスが全部詰め込まれていて興味深い》

 芸術家についてはずっと書いてきたし、介護についてはもう日常でしたから、自然に入ってきましたね。もともと、少し間をあけた形での雑誌連載だったので、実際の肖像彫刻家や鋳造所の方たちからの取材でヒントを得たりしながら、その都度エピソードを探しました。イタリア在住の作家の作品も見せてもらったのですが、(小説のエピソードのように)ホントに動き出しても不思議じゃないくらい。写真じゃ分からない、やはり実物を見ないと、って感じましたね。

 《主人公の彫刻家は生活力がなく、妻子に逃げられてしまう、さえない中年男として描かれている》

 テレビドラマなどに登場する芸術家は、「眼光鋭く、いかにも芸術家風」みたいなイメージで描かれることが多いのですが、本当は違いますよ。そこら辺を歩いているように見える人が実は、すごいものを作ったり、書いたりするんですから(苦笑)。

 《恋愛小説も手掛けてきた。『恋愛未満』(令和2年)では、父娘ほど年下の女性との結婚を夢見る独身の50男や、旅先のアメリカで偶然出会った男に胸をときめかせる中年の主婦…。「大人の男女の恋愛模様」が描かれている》

 「恋愛小説」というジャンル自体として、あまり考えたことはないけれど、私が(恋愛を)書くとなれば年齢を重ねた後の、自分の年齢に近いものを書くことになる。となれば、だいたいは既婚なわけですよ、不倫もあるでしょう。「少年少女のみずみずしい恋」は、そのころから50年も過ぎた私が書くよりも、他に書く方がたくさんいらっしゃいますから。

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