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医療的ケア児の家族、深まる社会的孤立 別居長期化、コスト負担も大

口の中の痰を母親の長尾多恵子さんに吸引してもらう医療的ケア児の長尾潤ちゃん=5月27日、横浜市内の病院(長尾多恵子さん提供)
口の中の痰を母親の長尾多恵子さんに吸引してもらう医療的ケア児の長尾潤ちゃん=5月27日、横浜市内の病院(長尾多恵子さん提供)
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 新型コロナウイルスによる被害が社会へ深刻な影響をもたらす中、24時間医療的ケアが必要な障害児とその家族の社会的孤立が強まっている。厚生労働省によると医療的ケア児は全国で約2万人。両親らの負担は大きく、重症化リスクのある子供を守るため、外出を控え、父親が別居生活をする家族も。自宅でのケアに必要な大量の医療物品の郵送サービスもコスト面が問題となって導入が進んでおらず、家族らは制度の改正を求めている。

 医療的ケア児の長女、潤ちゃん(6)を育てる横浜市の主婦、長尾多恵子さん(42)の不安は第2波への警戒がくすぶるなかで増している。感染リスクを減らすために始めた夫(43)との別居生活も2カ月近くになった。

 潤ちゃんは気管軟化症などを抱え、人工呼吸器が24時間、手放せない。食事も胃ろうを通して行う。万が一、コロナに感染すれば、症状が一気に悪化する恐れがある。街は普段の日常を取り戻しつつあるものの、長尾さんは「私たちが日常に戻るわけにいきません。私が感染しても面倒をみてもらえるあてもありませんし…」と悩む。

 感染リスクを避けるため、両親の負担を軽減する訪問看護も断っている。マスク着用で熱中症の危険が増すなかで外出も控えざるをえず、潤ちゃんが大好きな水族館に行くことも今夏はあきらめた。長尾さんは「社会的孤立を強いられています」と打ち明けた。

 新型コロナ感染拡大を受け、厚労省は2月以降、在宅ケアに必要な医療物品を病院から郵送することを可能にする仕組みを整えたが、導入が進まない。

 国立成育医療研究センター(東京)は医療物品の郵送サービスを4月に始めたが、緊急事態宣言が解除された5月に止めた。電話網整備、物品の箱代や仕分けや詰め込みのための人件費などの諸経費を医療的ケア児の世帯に求めることができず、病院側の負担がかさんだからだ。

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