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蚊はなぜ暗闇を飛べるのか 障害物を気流で感知

蚊が床の近くを飛んでいる様子のシミュレーション画像。赤い場所は気流の変動が大きい(中田敏是・千葉大助教提供)
蚊が床の近くを飛んでいる様子のシミュレーション画像。赤い場所は気流の変動が大きい(中田敏是・千葉大助教提供)

 蚊が暗闇でも障害物を避けて飛ぶことができるのは、羽ばたきで生まれる気流のわずかな乱れを感知しているからだと、千葉大などの国際研究チームが突き止めた。米科学誌サイエンスに論文が掲載された。蚊は感染症を媒介する恐れがあり、生態の理解が進めば感染症対策につながると期待される。

 チームは高速で撮影できるカメラを使って、蚊の動きを3次元的に詳しく測定。これを基に蚊の羽ばたきで生じる気流のシミュレーション(模擬実験)を行った。その結果、蚊の感覚器官の感度なら、気流が障害物に当たったことで引き起こされるわずかな乱れを感知できることが分かった。

 蚊は触覚の根元に、空気のわずかな振動を感知する器官を持つ。シミュレーションによると、体長の10倍近い3~4センチ離れた壁や床などの障害物を検知できることが分かった。これは蚊の雌が水面の2~7センチ上空から卵を産み落とす習性に合致するという。

 蚊はデング熱や日本脳炎などの感染症を媒介する。チームの中田敏是(としゆき)千葉大助教(機械工学)は今回の成果について「蚊から身を守る新しい手法の開発につながれば」と話す。実際にはない壁を蚊に錯覚させる気流を作り、蚊を寄せ付けないようにするといった方法が考えられるという。

 チームは今回の知見を基に、気流の乱れから障害物を検知する手のひらサイズのドローンも開発した。コウモリのように超音波を発生させ、その反射で障害物を検知する従来方式と比べ、もともと飛行で生じている気流の変動を圧力センサーで読み取るため、より軽量で省電力のドローンを開発できる可能性がある。

 中田助教は今後、フクロウなど他の飛ぶ生物と比較しながら、蚊が飛ぶ仕組みを詳しく解明したいとしている。(松田麻希)

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