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「渓流の女王」を増やせ フローラがアマゴ放流

 清流に棲むアマゴの体にはパーマークという楕円(だえん)形の模様、そして、赤い斑点が並ぶ。その美しさから「渓流の女王」と呼ばれることもある。

 アマゴはサケ科の川魚。主に神奈川県以西の太平洋、瀬戸内海に注ぐ河川の上流域に生息する。

 自然環境の悪化などで生息数が減るなか、川で泳ぐアマゴを増やそうと取り組んでいる企業がある。天然植物活力液「HB-101」のメーカー、フローラ(三重県四日市市)は6月6日、三重県いなべ市北勢町の渓流で地元の小原一色自治会と共同でアマゴの稚魚1万匹を放流した。

三重・いなべで1万匹 今年で12回目

 稚魚の大きさは5センチ~6センチ。同社と共同研究している和歌山県新宮市の近畿大学水産研究所新宮実験場で育てられ、水槽を積んだトラックで約5時間かけて運ばれてきた。

 同社の川瀬善業(よしなり)社長が「ほかの地域から来る人にも楽しんでもらえるよう、自然豊かな川にしていきましょう」と呼びかけ、参加者は員弁(いなべ)川に流れ込む小原一色の川沿いに上流へ移動。バケツに移された稚魚がピチピチと飛び跳ねる様子に子供たちが歓声を上げながら川へ放つと、さっそく元気に泳ぎ回る稚魚の姿が見られた。

アマゴを放流する小学生
アマゴを放流する小学生
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 小原一色の地で生まれ育った川瀬社長によると、小学生時代の昭和30年代には、たくさんのアマゴが川で泳ぎ、キラキラと輝いて見えたという。大阪府や愛知県から釣りに来る人もいたほどで、アマゴのほかにウナギ、ナマズの仲間のアカザ、ハゼの仲間のドンコなども生息していた。

 企業による開発が進み、故郷の川では、すっかり魚が見られなくなってしまった。「昔のような川に戻したい」「まずアマゴから」と思い立ち、平成21(2009)年にアマゴの放流を開始。毎年6月に稚魚、1万匹を放流し、今年で12回目を迎えた。

渓流魚を取り巻く環境 残存率わずか2%

 川瀬社長は「川を観察していると、徐々にアマゴが増えているような気がする」と話しており、少しずつ手応えを感じている様子だ。前年に放流した稚魚が成長したのか、川の岩陰で稚魚より一回り大きなアマゴの泳ぐ姿を見かける年もあった。

 ただ、水産庁が発行したパンフレット「渓流魚の増やし方」によると、自然繁殖で産まれた渓流魚が全長15センチに成長するまでの残存率は約2%。放流された養殖魚の残存率は、自然繁殖魚の半分以下であることが分かっているという。

 つまり、アマゴの稚魚1万匹を放流しても、大きく育つのは100匹以下という計算になる。たくさんのアマゴが飛び跳ねるようになるには息の長い取り組みが必要だ。

放流したアマゴの稚魚。サイズは5センチ~6センチ
放流したアマゴの稚魚。サイズは5センチ~6センチ
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SDGsへの取り組み 持続可能な世界を

 「自然と共存しながら生活ができる環境作りに貢献していきたい」というフローラにとって、アマゴの放流はCSR(企業の社会的責任)活動の一環として始めた取り組みだった。持続可能な資源を増やすことにもつながる取り組みは、その後、平成27(2015)年に採択された国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」と合致した。

 また、同年から山の保水能力を高め、員弁川の水源となる小原一色の川の水量を増やすことを目的に広葉樹の植樹も始めている。この「豊かな森づくりと水づくりプロジェクト」とアマゴの放流がSDGsへの取り組みに発展していった。

 同社が掲げる理念は「植物技術で100%以上の幸せを」。自然に無害で植物に有用なものができないかと考えたのが始まりだったという「HB-101」を通して持続可能な世界を作ることを目指している。

 未来に豊かな自然を残すために。今後もアマゴの放流のような活動を続けていく方針だ。

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【社長経歴】川瀬 善業(かわせ・よしなり)昭和24年、三重県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。幼少期より研究に明け暮れた天然植物活力液「HB-101」の製造と販売を同53年より始める。故郷の三重県いなべ市北勢町小原一色でアマゴ1万匹放流など自然保護活動も積極的に行っている。

【会社メモ】株式会社 フローラ 昭和53年に創業。同57年に株式会社 フローラを設立。「植物技術で100%以上の幸せを」という企業理念のもと、100%天然由来の植物活力液「HB-101」を製造・販売。「HB-101」は全国各地をはじめ、世界50カ国以上で愛用されている。純植物性エキスを配合した消臭液「ニオイノンノ」や植物エキスで出来た薬用育毛剤「HG-101」などの商品も製造・販売している。

本社:三重県四日市市馳出町3-39

提供 株式会社フローラ

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