PR

ライフ ライフ

「蔵王の樹氷守れ」 樹林帯を苗移植で再生へ

アオモリトドマツの再生に向け、移植される自生苗=3日、山形市蔵王温泉(柏崎幸三撮影)
アオモリトドマツの再生に向け、移植される自生苗=3日、山形市蔵王温泉(柏崎幸三撮影)
その他の写真を見る(1/2枚)

 「アイスモンスター」とも呼ばれる冬の風物詩、樹氷をつくる山形・蔵王の針葉樹、アオモリトドマツが害虫の食害で立ち枯れる状態が続いていることから、林野庁の山形森林管理署は3日、山形市の蔵王ロープウェイ「地蔵山頂駅」付近で、アオモリトドマツの自生苗を植える作業を昨年に続いて行った。

 蔵王ロープウェイに乗って蔵王連峰の地蔵山(標高1736メートル)の山頂方向に向かうと、標高1300メートル過ぎの辺りからアオモリトドマツの深緑の針葉が茶系に変色しているのに気付く。針葉が失われ、幹と枝のみの「裸の木」もある。

 針葉が茶系に変色する褐変(かっぺん)は、標高1400メートルから1700メートルの樹林帯約17ヘクタールにわたって広がり、中でも地蔵山頂駅付近の状態は目を覆うばかりの惨状だ。

 蔵王のアオモリトドマツは、平成25年に発生したトウヒツヅリヒメハマキという蛾の幼虫の食害で樹勢が弱まった。さらに28年にはキクイムシによる被害が起き、水分を上昇させる力が失われて枯死状態になったという。

 同管理署の舩津浩章地域林政調整官は「アオモリトドマツが健康であれば自らヤニを出して虫を防げるが、その力を奪われて枯死状態になった」と説明する。

 しかし、樹林帯は蔵王国定公園の特別保護地区にあるため人手を加えるのは難しい。そこで林野庁は昨年から、全国で初めて天然林を使った自生苗の試験移植に着手。この日の作業では、約20センチに育った10年超のアオモリトドマツの自生苗10本を丁寧に移植した。

 同管理署の中野亨署長は「樹氷は山形県の重要な観光資源。試験移植でアオモリトドマツを再生していければと思う」と話している。

 アオモリトドマツ(別名・オオシラビソ)はマツ科の常緑性の針葉樹で、1年に数センチしか成長しない。日本の本州中部以北に分布し、東北地方の蔵王(山形、宮城県)や八甲田山(青森県)、八幡平(岩手、秋田県)などに自生する。氷と雪が付着し、樹氷になる状態に育つまでには約40年かかる。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ