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地域医療は「6月危機」 院内感染を警戒し外来離れ、減収続出

 手術などが必要な患者らを紹介してきた周辺の病院が集団感染に見舞われ、外来を休止させる事態も発生。地域医療の現場は綱渡りの日々が続いている。

 医科と歯科の開業医約6割が加入する「全国保険医団体連合会」が4~5月に行った調査(約3600件集計分)では、前年4月比で医科・歯科ともに8割超が「外来患者が減った」と回答。「保険診療収入が減った」も各8割台で、減少幅30%以上が4分の1を占めた。自由記載では「治療が必要な患者も来ない」「赤字が長期化すると人件費も重くのしかかる」などと悲痛な叫びが並んだ。

■「緊急の助成必要」

 減収が深刻だった4月分の診療報酬は6月の収入に反映されるため、目先の経営上の不安が渦巻く。

 厚労省は医療機関への当面の資金繰り対策として、6月下旬に5月分の診療報酬の一部も前払いで受け取れる特例措置を公表。だが、後から実際の額に基づき精算する必要があり、医療機関側からは「前払いはあくまで一時的な措置で7月には返済が必要。これではとても対応できない」との声が漏れる。

 全国保険医団体連合会の住(すみ)江(え)憲(けん)勇(ゆう)会長は「地域医療は病院・診療所の連携、役割分担で営まれている。個別の医療機関が立ち行かなくなれば地域の医療提供体制にも影響する」と説明。「当面の減収分の公的補填など緊急の助成が必要」と訴えている。

■最前線の診療所 重い設備負担

 地域医療の担い手には、新型コロナウイルスの感染者対応の“最前線”に身を置く診療所もある。

 「ふじみの救急クリニック」(埼玉県三芳町)は設置したプレハブ施設で問診などを行い、感染が疑われる患者には屋外でPCR検査の検体を採取していく。検査数は最大1日200件以上。保健所に電話がつながらなかったり、別の医療機関で断られたりした患者も診察してきた。

 同クリニックでは、常勤・非常勤約20人の医師が稼働。救急科と脳神経外科が併設され、一般患者、感染患者ともに24時間態勢で受け入れている。

 3月に新型コロナの専門外来に指定され、4月からは感染患者向けに19床を確保して入院治療を担ってきた。

 その分、新型コロナ以外の入院患者らに転院してもらうなどの対応を迫られた。

 問診用とは別のプレハブ施設を増設し、病床を追加するなど支出面では重い負担ものしかかる。

 「感染が拡大する中、覚悟と使命感を持って闘ってきた。新型コロナ対応と並行して通常診療も続けなければいけない。ノウハウを積み重ねながら、模索を続けている」

 鹿野(かの)晃院長はそう語る。

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