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【話の肖像画】柔道男子日本代表監督・井上康生(42)(6)技で魅了 五輪の頂点へ

 重圧はもちろんありました。柔道日本代表は野村忠宏さん(60キロ級代表で後に五輪3連覇を果たす)、吉田秀彦さん(バルセロナ五輪金メダリスト)、篠原信一さん(シドニー五輪男子100キロ超級銀メダル)、中村兄弟(兄が66キロ級代表の行成、弟が73キロ級代表の兼三)、瀧本誠さん(同五輪男子81キロ級金メダル)とそうそうたる顔ぶれ。年齢は私は一番下でした。前年に世界王者になり、五輪では日本選手団の旗手も務めさせていただきましたが、まだまだ自分のためにという意識が強かったので、自分が金メダルを取れるかという重圧だけでした。

 《表彰式では、ジャージーにしのばせていた亡き母、かず子さんの遺影を掲げた》

 実際に勝った瞬間は頭が真っ白になりましたが、大会前には優勝して喜んでいるシーンがイメージできていた。母の遺影を掲げることもとっさの行動ではありませんでした。いまは絶対にダメですけどね。現地のスタッフに止められたんですが、説明をすると、「隠して持っていけばいい。表彰台に上がってしまえば誰も止められないから」と言って見逃してくれたのです。かなうのであれば、生きていて、表彰台に上がる姿を見届けてほしかったというのが正直な気持ちでしたが、世界一の母にすることができました。(聞き手 田中充)

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