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コロナを奇貨に販路拡大 埼玉・秩父銘菓、巣ごもり需要で人気

銘菓「ちちぶまゆ」を手にする秩父中村屋店主の中村雅夫さん=26日午後、埼玉県秩父市(竹之内秀介撮影) 
銘菓「ちちぶまゆ」を手にする秩父中村屋店主の中村雅夫さん=26日午後、埼玉県秩父市(竹之内秀介撮影) 

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛は、観光を基幹産業とする地域に暗い影を落とした。埼玉県の秩父地方もその一つだ。ただ、「巣ごもり需要」で拡大した新たな販路に商機を見いだそうとする動きも起きている。これまで県外ではあまり知られていなかった秩父銘菓「ちちぶまゆ」は、他県での販売開始が相次いで決まり、コロナ禍からの再起を図る関係者の励みになっている。

 ちちぶまゆは、地元産のメープルシロップをマシュマロで包んだ菓子で、かつて養蚕業が盛んだったことにちなみ細長い繭のような形をしている。かわいらしい外見とシロップの優しい甘みが人気を呼び、西武鉄道のレストラン列車「旅するレストラン」のメニューにも採用された。

 ちちぶまゆを主力商品とする和菓子店、秩父中村屋(埼玉県秩父市)では、感染拡大前は月に約30万個を販売していた。しかし、主な納品先である土産物店や高速道路のサービスエリア(SA)が軒並み休業し、3月の売り上げは前年同月比約80%減に落ち込んだ。

 そんな中、思わぬ好機が訪れた。3月、大手スーパー4社の仕入れ担当者から、ちちぶまゆを扱いたいという申し込みが相次いだのだ。ターゲットは、観光地の菓子を自宅で食べることで旅行気分を味わいたいという消費者だった。

 秩父中村屋の3代目店主、中村雅夫さん(53)によると、大手スーパーが関心を持ったのは、ちちぶまゆの「地域性」だったという。養蚕業に由来する形状や材料に地元の産品を用いた郷土愛が評価されたそうだ。商談は無事に成立し、ちちぶまゆは5月から、これまで出荷されていなかった千葉県や茨城県でも販売されるようになった。

 売り上げは感染拡大前には遠く及ばないというが、それでも中村さんは前を向く。

 「秩父の菓子を多くの方に味わってもらえるのはうれしい。新しく築いた販路は大事にしたい」

(竹之内秀介)

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