PR

ライフ ライフ

【ビブリオエッセー】何度も連呼したいその名前 「もものかんづめ」さくらももこ(集英社文庫)

『もものかんづめ』さくらももこ著(集英社文庫・390円+税)
『もものかんづめ』さくらももこ著(集英社文庫・390円+税)

 さくらももこのエッセーが大好きだ。とりわけ初期の3部作。『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『たいのおかしら』は、何度読んでも飽きない。

 小学生のころからさくらももこの本が好きで、同級生と一緒に何度も図書館で借りた。何度も借りたのに返却後にまた読み返したくなって、なけなしのお小遣いから捻出して買った。20年近く前に買った『もものかんづめ』の単行本は表紙が少し汚くなってしまったが、今もこの読み慣れた本を愛読している。

 当然、内容はすべて頭に入っている。なのについ手にとってしまう常習性。国民的漫画『ちびまる子ちゃん』の作者、さくらももこの作品の魅力は、誰もが共感できる身近な話題で安心してくすりと笑える、ということだろう。

 さてこのエッセー集、「奇跡の水虫治療」から「極楽通い」「底なし銭湯」「週刊誌のオナラ」などタイトルだけでもおかしい。母に怒られた、姉と喧嘩した、無駄遣いした、金持ちの同級生の真似をしてうまくいかなかったなどと作者がいろいろやらかす内容となっている。

 漫画以上に生活感が剥き出しの描写で、サクサクと読めるし、イラストも可愛らしくてほのぼのとする。なかでも祖父の臨終場面を描いた「メルヘン爺」がいい。「祖父は全くろくでもないジジィであった」で始まり、姉の期待と興奮、身内をこきおろす文章が笑いを誘う。

 あぁ、魅力を伝えたいあまり、何度この文中で「さくらももこ」の名を連呼してしまったことか。今回のペンネームも、さくらももこにあやかり、「つばきりんご」と名乗った。活字が苦手な人も、さくらももこのエッセーなら大丈夫。病みつきになるかもしれないが…。

札幌市南区 つばきりんご28

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ