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「才能伸ばす福祉」目指す坂根匡宣さん

 「みなさんの生き生きとした姿を見るのが楽しく、日々、元気をもらっています」

 障害者の就労支援などに取り組む一般社団法人「ダイアロゴス」(大阪市西区)の坂根匡宣代表理事(46)。障害の程度に合わせた職業訓練で、障害者が働く場を得られるよう努めている。

「障害者が働くことが当たり前になる社会を」と語る坂根匡宣さん=大阪市西区(薩摩嘉克撮影)
「障害者が働くことが当たり前になる社会を」と語る坂根匡宣さん=大阪市西区(薩摩嘉克撮影)

 脳内出血で倒れた父親の介護を通じて福祉の必要性を感じていた27歳のとき、大阪保健福祉専門学校(大阪市淀川区)の社会福祉科に入学した。同級生のほとんどが9歳年下。福祉に対する価値観にギャップを感じながらも、カリキュラムが進むうちに解け合うことができ、個性あふれる講師陣にも恵まれて多様な福祉の在り方を学んだ。

 知的障害者施設などでのボランティアや、高齢者や障害者らを介護するグループホーム活動にも励んだ。高校卒業後に通ったコンピューター専修学校での知識や技術を生かし、視覚障害者向けの「パソコンボランティア」にも注力した。

 専門学校卒業後の平成17年に社会福祉士の資格を取得。社会福祉法人「日本ライトハウス」のITワークセンター施設長や視覚障害リハビリテーションセンターの生活支援員などを務めた。

 20年のリーマンショックで経済が低迷し、所得格差の拡大が指摘されるようになった21年、地域に根差した福祉を目指そうと障害者の就労支援をする企業「ソーシャルプランニング流」(大阪市西区)を設立。28年にはダイアロゴスを立ち上げた。

 運営する施設では、個々の障害者に合わせた付加価値の高い仕事の開拓にも注力。「内職的な軽作業で収入を得てもらうだけではなく、生涯的なスキルを身につけて将来に向けた力を蓄える場所」と施設を位置づける。

 新型コロナウイルスの感染拡大には、「外出自粛による在宅勤務は、労働生産性が低い障害者には向いていない。パソコン業務などに支障をきたしています」と苦慮。ただし、大阪市から委託されている放置自転車の啓発など屋外の業務もあり、感染防止に配慮しながら続けている。

 手作りマスクの縫製など屋内作業に携わる障害者たちは、事業所内で「3密」を避けながら励んでいる。

 高度な数学の問題を解いたり、独創的な絵を描いたりといった優れた知的能力を持ちながら、他人との適正な距離感がつかめないなど社会生活になじめない人を対象にした事業所「ギフテッドスタイル」を立ち上げたばかり。その素質をデジタル動画の撮影や編集に生かしてもらうのが狙いで、「新たな福祉への挑戦」と自負している。

 コロナ禍の収束後には、働き方など労働環境の変革が予想される。その社会で障害者の労働が「当たり前のこと」となるには、多様な人材を柔軟に受け入れる環境が整備できるかにかかっていると訴える。

 運営する事業所で働いている障害者は、20~70代の男女計71人。「それぞれの才能を探り当て、ポジティブな面を引き伸ばしていける施設にしていきたい」と熱く語る。(高橋義春)

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