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【コロナ 街を歩く】奥多摩 町を支える「観光問題」に揺れる

JR奥多摩駅近くの氷川渓谷。新緑を楽しもうと観光客が集まる時期だが、閑散としている=21日、奥多摩町(飯嶋彩希撮影)
JR奥多摩駅近くの氷川渓谷。新緑を楽しもうと観光客が集まる時期だが、閑散としている=21日、奥多摩町(飯嶋彩希撮影)
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 都心から2時間ほどで豊かな自然を満喫できる奥多摩町。新緑の季節を迎え、普段なら観光客でにぎわうはずだが、今年は静寂に包まれている。町は新型コロナウイルスの感染者を一人も出しておらず、外部から持ち込まれないよう「不要不急の来町自粛」を掲げている。とはいえ、「観光」は町を支える主要産業だけに、町民は複雑な心境に揺れている。(飯嶋彩希)

■招かれざる観光客

 「どこも閉鎖されているから『トイレだけ貸して』といって来店する人もいる。何時間も路上駐車したり、私有地でもお構いなしに入ってきたりして、めちゃくちゃだ」

 奥多摩湖周辺で飲食店や土産物屋を経営する70代の男性店主はこう打ち明けた。今月21日に訪れた奥多摩町は、濃霧が山を覆い、気温は10度。寒さとまばらな人影の中、営業していた店を見つけ、入ってみた。そこで出会った店主が奥多摩で起きている“異変”について話してくれた。

 異変が始まったのは4月に入ってから。気温の上昇と「自粛疲れ」のせいか、自然を求めて訪れる観光客が増え始めたという。ピークを迎えたのは緊急事態宣言が全国に拡大された4月16日以降、初の週末となった4月19日。天気に恵まれたこの日は奥多摩湖周辺の駐車場は都心や他県ナンバーの車やバイクで満車に。路上駐車が相次ぎ、人口約5千人の小さな町で渋滞が起きる事態になった。

 感染拡大を懸念した町は翌20日、「苦渋の決断」として来町自粛を発表。大型連休初日の25日から町内約30カ所の観光駐車場を閉鎖した。だが、行き場をなくした観光客らは一般の河川でキャンプやバーベキューに興じ、ごみを放置した。

 町民から苦情が殺到し、対応に窮した町はバリケードで一部の林道を封鎖。しかし、バリケードを固定する鎖につけられた鍵を破壊する“強行策”に出る者まで現れた。町は青梅署に被害届を提出している。

■住民ら不安募らせ

 店主の男性は「うちが休業すると付近に飲食店はなくなる。地元の人や生活費のためにも店を開けざるを得ない」と複雑な胸の内を明かした。マナー違反の一部の観光客に怒りを覚えるが、都心を中心に訪れる観光客で観光業が成り立っている町でもある。

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