PR

ライフ ライフ

「大人の童話」幻想的に 英訳書籍化も構想 外交評論家・故岡本行夫さんウェブ小説

岡本行夫氏(野村成次撮影)
岡本行夫氏(野村成次撮影)

 新型コロナウイルスによる肺炎のため、4月24日に74歳で死去した外交評論家の岡本行夫さん=写真=は国際問題などについて精力的に発言する一方、2月からは小説家としても歩み始めたばかりだった。目指したのは「大人の童話」で、書籍化して英訳版も構想していたという。

 老舗出版社「春陽堂書店」のウェブサイトで始まった岡本さんの処女小説「スーパーフィッシュと老ダイバー」は、年老いたダイバーと巨大魚ナポレオンフィッシュのふれあいを描いた作品。ダイビングを趣味とする岡本さんが、海中の世界を幻想的に描き、人間の身勝手さや地球の危機などを念頭に置いた内容だ。岡本さんが撮影した写真も彩りを添える。

 執筆のきっかけは、同書店編集顧問、岡崎成美さん(63)との縁だった。小説のウェブ配信の企画が持ち上がった際、画面に映える写真を探していた岡崎さんは、旧知の岡本さんから以前に見せてもらった紅海の写真を思い出した。写真をメインにした連載を打診したところ、岡本さんは「それでは月並みだ」として、自ら小説の執筆に意欲を示したという。

 「草稿段階では、漢字が多く、『すなわち』『つまり』を多用するなど説明の多いくだりが散見された」と振り返る岡崎さん。ただ、打ち合わせを重ねるたびに、表現は洗練され、童話に近づいていった。岡本さんは「日本児童文学の父」と呼ばれる小川未明に影響を受けたとも話していたという。

 小説は全12章。岡本さんは2月中に最終章を脱稿しており、連載は来年1月まで続く。その後出版の予定もあるといい、岡崎さんは「岡本さんは自分で英訳し、世界中の人に読んでもらいたいという壮大な夢も持っていた。その遺志をかなえたい」と話している。(篠原那美)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ