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全人代の香港抑圧審議に「一国一制度だ」と反発 デモ再燃必至

中国全人代の開幕式に臨む習近平国家主席(左)と李克強首相=22日、北京の人民大会堂(共同)
中国全人代の開幕式に臨む習近平国家主席(左)と李克強首相=22日、北京の人民大会堂(共同)

 【香港=藤本欣也】22日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)で国家安全法を香港に導入する案が審議されることに、香港の民主派は激しく反発し、言論や集会の自由が認められた香港の「一国二制度」は「正式に一国一制度になってしまう」と危機感を強めている。米国のトランプ政権も中国を牽制(けんせい)し、香港問題は米中対立の原因にもなっている。

 香港の林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は同日、政府高官ら約30人を従えて会見し、「国家安全法の立法化は香港に根本的な利益をもたらすと信じている」と述べ、中国による同法導入を正当化した。

 香港に導入される国家安全法では、国家分裂や政権転覆行為、組織的なテロ活動、外国勢力による介入が禁止される見通しだ。制定されれば、1989年の天安門事件の犠牲者を追悼する集会なども恒久的に禁止される可能性がある。

 22日の香港株式市場は混乱の拡大を懸念し、ハンセン指数が前日終値比5・6%安と大幅下落した。

 中国は9月に実施予定の立法会(議会)議員選をにらみ、民主派への圧力を強めている。中国国歌への侮辱行為を禁止する国歌条例案をめぐり最近、親中派と民主派議員が対立し、乱闘騒ぎも起きた。審議が予定される今月27日、同案に反対する若者らが立法会の建物を包囲する計画もある。

 香港政府は、新型コロナウイルスの感染防止策として続けている「9人以上の集会禁止措置」で取り締まる構えだ。しかし28日には、全人代で香港の国家安全法に関する採決が行われる予定で、大規模な反政府・反中デモが再燃する可能性も取り沙汰されている。

 香港のミニ憲法である基本法は23条で「香港は自ら国家分裂、政府転覆などの行為を禁じる法律を制定しなければならない」と定めている。香港政府は97年の返還後、国家安全条例の制定に向けた動きを進めたが、2003年に50万人規模の反対デモが起き、制定を見送った経緯がある。

 「返還後、最も争いのある条例を今回のようなやり方(香港の立法会の審議を経ない方式)で立法化するのは香港人を全く尊重していないに等しい」(民主派議員)といった怒りや不満が香港で広がっている。

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