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原料価格15倍、増産控え、ブローカー暗躍…「マスク狂騒曲」の深層

アメ横商店街で売られるマスク=17日午後、東京都台東区(萩原悠久人撮影)
アメ横商店街で売られるマスク=17日午後、東京都台東区(萩原悠久人撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大で急拡大したマスク需要が、ようやく一段落した感がある。街中には箱詰めのマスクが並び始め、一時と比べて値段も落ち着いてきているが、なぜ、ここまで国内でマスクの払底が続いたのか。背景を探ると、中国の原材料メーカーによる価格釣り上げや過去の“教訓”を基にした国内の一部メーカーによる増産控え、海外ブローカーの参入など、複数の要因が複雑に絡み合っていたことが浮かび上がる。

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 「原材料価格がつり上げられ、マスクの値段も上げざるをえなかった」。中国にある子会社を通じてマスクの加工を手掛ける国内メーカー関係者は、こう打ち明けた。

 防護効果が比較的高いとされる3層マスクは、繊維を織らずに絡み合わせた「不織布(ふしょくふ)」を3枚重ねた構造になっている。世界の不織布の生産量は、4割近くを中国が担っている。

 この関係者によると、フィルター機能のあるタイプの不織布の場合、価格は1キロあたり30元(約450円)だったのが、今年に入って450元(約6700円)と、15倍に上昇した。不織布1枚につき、7円程度になる計算だ。

 原材料が高騰する中、国内メーカーはマスクの増産に乗り出した。国内最大手のユニ・チャームは、週1000万枚だった生産量を2000万枚に増強した。広報担当は「生産すれば売り切れる状況が続いている」と話す。

 絶好の商機だったはずだが、二の足を踏む業者もいた。四国地方のあるメーカー関係者は「過去に『苦い経験』があり、(増産に必要な工場やラインの増設などの)設備投資には踏み切れなかった」と打ち明ける。

 「苦い経験」とは、平成14~15年の重症急性呼吸器症候群(SARS)や25年の鳥インフルエンザの流行のことだ。このメーカーは当時、マスクの大増産を敢行したが、感染が収束すると、とたんにマスクがだぶつき、「たたき売りの状況になった」。今回の新型コロナでも、慎重な姿勢を崩していない。

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 日本衛生材料工業連合会によると、マスクの国内生産量は平成30年度で11億枚。これに対し輸入も含めた国内の総供給量は55億枚にのぼる。沸騰するマスク需要を国内だけでまかなうのは限界があった。

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