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抗体検査、自粛の判断材料に期待 免疫証明には不十分か

記者会見する加藤厚労相=15日、厚労省
記者会見する加藤厚労相=15日、厚労省

 新型コロナウイルスの感染歴を調べる「抗体検査」に、厚生労働省が来月から本格的に乗り出すことになった。地域の感染実態を把握できるため、外出自粛の実施や解除の判断材料として期待される一方、検査キットの性能には課題が残る。抗体が確認されても再感染の可能性が指摘されており、「免疫証明」につながるかは不透明だ。

 「複数の自治体で、どれぐらい抗体保有者がいるかはいえるだろう」。厚労省の担当者は、1万人規模で行う抗体検査の意義をこう説明した。

 地域の人口の5~6割が抗体を持つと「集団免疫」がついて流行が広がりにくくなるとされ、感染実態が把握できれば、外出自粛の必要がなくなるなど収束の道筋が見えてくる。東邦大教授で日本感染症学会の舘田一博理事長も「感染後に回復して免疫を持つ人が増えれば流行は広がらず、収束に向かっていくことも考えられる」と指摘する。

 新型コロナの抗体検査は国内外で先行事例がある。神戸市立医療センター中央市民病院は外来患者1千人の血液を検査し、33人が抗体を持っていたことを確認。大阪市立大は4月下旬、新型コロナとは無関係の理由で付属病院の外来を受診した312人の血液を調べ、3人が抗体を持っていることが分かった。国内では、数%の人に感染歴がある可能性がある。

 一方、米国最大の感染地となったニューヨーク州が4月に3千人対象の検査を実施したところ、約14%が陽性との結果が出た。

 英国などは経済活動を再開させるため、抗体検査を基にした「免疫証明書」の発行を検討しているが、検査キットの精度が不十分として否定的な論調が目立つ。世界保健機関(WHO)も「抗体の存在が、新型コロナに対する免疫を示すとの結果は出ていない」との見解を示している。

 新型コロナは抗体がどのように作られ、どう感染制御に作用し、どれほどの持続性を持つのか-など不明な点が多い。舘田氏は「今後はこうした疑問点を一つ一つ検討していくことが求められる」と話している。

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