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「国際化を」「社会とズレある」…9月入学、渦巻く賛否

 また、休校継続で感染リスクを回避しつつ、再開後の必要な教育課程の履修に取り組めることも利点の一つだ。「一律に来年9月の開始にすれば教育現場は余裕ができて楽になる」と立命館大の上久保(かみくぼ)誠人教授(現代日本政治論)は語る。懸念される感染拡大の第2波、第3波に伴う再休校の際にも対応できるとした。

 さらに「大学や企業で良い人材を獲得しやすくなる」(上久保氏)。例えば海外で夏に高校や大学を卒業した優秀な人材が、日本の入学・採用シーズン前に「他国に行ってしまう」。少子高齢化が進み、国内で人材不足が進む中、9月入学を国際競争力向上の起爆剤にすべきだと強調する。

会計年度との「ずれ」

 ただ、現状では企業などの就職・採用活動や公的資格の試験など多くの日程は4月を起点とする会計年度に基づいており、明星大の樋口修資(のぶもと)教授(教育行政学)は「9月入学制は教育改革ではなく社会改革だ」と指摘する。

 就職・採用活動などへの影響に加え、小1児童の入学時期が来年秋にずれ込めば、移行期の4~8月は保育所などの受け入れ態勢が課題となる。

 何月生まれまでを新小学1年生の対象とするかという問題もある。現状での対象年度の子供に、次年度の8月までに生まれた人数を加えれば、新1年生だけ人口が急増し、誕生日が丸1年以上違う児童も同一学年に混在してしまう。

 樋口氏は「中長期を見据えた問題と、コロナ対策という短期的な問題を一緒に捉えるのは危険だ」と冷静な議論を促している。

 政府は、関係省庁が課題を洗い出して論点整理した上で、6月上旬にも方向性をまとめる方針だ。

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