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新型コロナ禍 それでも夜の繁華街でなぜ働くのか 千葉市で聞いた

午後8時頃ごろでも人通りがまばらだった富士見本通り=4月30日、千葉市中央区富士見(長橋和之撮影)
午後8時頃ごろでも人通りがまばらだった富士見本通り=4月30日、千葉市中央区富士見(長橋和之撮影)

 緊急事態宣言下のゴールデンウイークが始まった。新型コロナウイルスの感染拡大に終わりは見えない。京成千葉中央駅にほど近い千葉市中央区の繁華街、富士見でも休業中の店が目立ち、人通りはまばらだ。それでも仕事を続ける人に話を聞いた。

 4月30日午後6時半ごろ、営業中の居酒屋を訪れた。店に入るとアルコール消毒を促された。入店時には全員に行っているという。県は、午後7時以降の酒類提供を控えるよう要請しているが、この店は、客の求めがあれば午後7時以降も酒類を提供していた。

 店長の男性(44)は「自粛の終わりも見えないから店を閉めることもできない」と話す。売り上げは感染拡大前の半分以下。昼と夜にテークアウトを始めたが、1日5000円程度しか売れないという。「店を開けない方がいいのはわかるけど、自粛してくれというならそれができるしっかりした補償などを作ってほしい」ともらした。

 午後9時を過ぎると、裏通りには、キャバクラやガールズバーの客引きが増え始めた。客引きをしていたキャバクラの従業員男性(29)によると、客引きは普段の5分の1以下の人数だという。

 男性の働く店でも、感染を恐れて出勤しない女性が増えているという。「キャバクラは集団感染が起きやすい“悪者”のように扱われるが、シングルマザーなど生活のために働かないといけない従業員もいる。休んでも生活が保障されるなら僕らも働かない」。男性はその後も客引きを続けていた。

 午後10時ごろ、千葉中央駅の前には客待ちのタクシーが並んでいたが、駅周辺にはほとんど人がいなかった。「30年やってるけどこんなことは初めてだ」と個人タクシーの運転手(53)がぼやいていた。

 午後8時から客待ちをしているが、まだひとりも客を乗せていなかった。

 「休んでいても税金などの固定費は出ていく。生活のためにはこうやって客待ちするしかない」

 この日、新型コロナウイルスの緊急経済対策を盛り込んだ補正予算が参院本会議で可決、成立した。個人事業主には最大100万円の持続化給付金が支給されることになった。それでも運転手は嘆く。「今は給付で何とかなっても先が見えないことに変わりはない。コロナの収束が見えない限り、私たち運転手の生活は来年、再来年も元通りにはならないだろう」。

(長橋和之)

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