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【春の褒章】メディア史で初の紫綬褒章、佐藤卓己京都大教授「新領域評価されうれしい」 

佐藤卓己・京大教授(永田直也撮影)
佐藤卓己・京大教授(永田直也撮影)

 「メディア史やメディア文化論はまだ必ずしもメジャーな学問とはいえず、受章は予想外でした。そういう新しい領域の研究が評価されて大変うれしい」

 「終戦記念日」の国民的記憶がいかに作られていったかを解き明かす『八月十五日の神話』や、公的意見と大衆感情を峻別する必要性を指摘して世論調査政治に再考を迫る『輿論(よろん)と世論(せろん)』など、歴史的視点からメディアと社会のあり方を鋭く問い直す数々の著作で知られる佐藤卓己・京都大教授(59)。このほど、メディア史研究者として初の紫綬褒章を受章した。

 「これまでの新聞史や放送史に対し、私がやっているのは新聞やテレビ、雑誌、あるいはポスターや漫画などさまざまなものを比較して、その効果を考える比較メディア史。その点が従来のジャーナリズム史とやや違う点だと思います」

 もともとの出発点はドイツ現代史、特に社会主義宣伝の研究だった。京都大大学院で西洋史を専攻した後、東大新聞研究所助手、同志社大助教授、国際日本文化研究センター助教授を経て母校の京大に。「日文研は授業を持たなくてよく、研究者としては天国のようなところでした。なのになぜまた大学に移るのかと(日文研初代所長の)梅原猛さんに問われて、『博士を自分で10人出したい』と答えたんです。メディア史は新しいジャンルだから、自分だけがやるのではなく、後継者を育てなければ、と」

 サントリー学芸賞や毎日出版文化賞を受賞した旺盛な執筆活動とともに、赤上裕幸・防衛大学校准教授や長崎励朗・桃山学院大准教授ら、前途有為な後進を育成した教育者としても高い評価を受けている。「この受章はこれから研究を志す若手にとっての励みにもなる。その意味でも喜ばしいですね」(磨井慎吾)

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