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【ソロモンの頭巾】新型コロナの黙示録 ウイルスの合成も可能な時代だ 長辻象平

新型コロナウイルスなどについての出版物(ウイルスの画像は国立感染症研究所提供)
新型コロナウイルスなどについての出版物(ウイルスの画像は国立感染症研究所提供)

 中国・武漢で初確認された新型肺炎(COVID-19)が猛烈な勢いで世界に拡大している。この新興感染症の病原体は「SARS-CoV-2」と命名された新型コロナウイルスだ。

 2002~03年のSARS(重症急性呼吸器症候群)と12年のMERS(中東呼吸器症候群)も新しいタイプのコロナウイルスによる感染症だった。

 今世紀の人類社会は医学の進歩にもかかわらず、わずか20年のうちにコロナウイルスによるだけでも3回の波状攻撃を受けている。しかも、うち2回が中国発の流行だ。この多発傾向は偶然か、必然か。コロナ問題の新刊書などの紹介を兼ねながら考えたい。

緊急出版書が並ぶ

 『新型コロナウイルス』(木村良一著・岡部信彦監修、扶桑社・1100円+税)は、感染症問題などを取材してきたジャーナリストによる緊急出版。2月末の脱稿なので国内の感染者もまだ少ないころだ。欧米も感染爆発前夜。

 だが、この時点で感染拡大防止には「集団で集まる機会をなるべく減らすことだ」と指摘している。

 また、第3章「なぜ中国は爆発的感染を起こしたのか」には、ジャーナリストの視点が生きている。

 月刊誌の『日経サイエンス』5月号(1466円)は、特集を組んだ。コロナはRNAウイルスの中でも特に長い3万個の塩基のゲノムを持つのが特徴。「コピーするものが多いほどミスの機会も増すので、コロナウイルスは急速に変異する」としている。新型多発の一因だ。政府の専門家会議のメンバーらが日本の対コロナ戦略について語る座談会も収録されている。

 『新型コロナウイルス感染症COVID-19』(粟野暢康、出雲雄大・監修編集、医療科学社・1700円+税)は、呼吸器内科医らによる小冊子。2月末までの英語論文や世界保健機関(WHO)の報告などをもとにした医学関係者向けの内容だ。

 コロナウイルスには多くの種類がある。そのうち人間に感染するものは普通の風邪を起こす4種に限られていたのだが、今世紀にSARSとMERSが出現。今回の武漢肺炎ウイルスは「第3の新顔」なのだ。

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