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【話の肖像画】台湾元総統・陳水扁(69)(29)思いもよらなかった「機密費疑惑」

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機密費横領問題が報じられた後、総統府前では連日、大規模な抗議デモが行われた
機密費横領問題が報じられた後、総統府前では連日、大規模な抗議デモが行われた

 《2006年6月、台湾の各紙は一斉に「総統の機密費が横領された」と大きく報じた。自身が民間人から公務と関係ない領収書を集めて提出し、国家予算から機密費をだまし取ったとの内容だった》

 私は民間人から領収書を集めたことは事実だが、引き出した資金は決して自分のポケットにいれていなかった。この機密費はすべて台湾外交のために使っていた。例えば国際組織の関係者にお願いして、台湾の国際組織加盟に向けて水面下で動いてもらうときなどだ。加盟できなくても、かかった経費は当然、こちらの負担になるし、謝礼も払わなければならない。主要国での親台派の議員選挙もある。落選されたら困るので、特別なルートを通じて一定の資金提供をすることもあった。すべて領収書がもらえないお金だ。

 前任の李登輝氏が使える機密費は私の約3倍もあった。領収書を提出する必要は一切なかったが、私が総統になったときにルールが変わり、領収書を出さないと機密費を引き出せなくなっていた。「何でもよい」と事務局に言われたので、妻と相談してその友人らにお願いして大量の領収書をかき集めた。しかしそれが、マスコミにリークされてしまったのだ。

 《06年夏以降、“機密費横領”の報道がますますエスカレートした。領収書の中身が次々と暴かれ、ホテルや飲食店での消費、さらに女性下着やペットフード購入費まであった。こうした報道で「国家を私物化する貪欲夫婦」というイメージができ上がり、総統辞職を求める大規模な抗議デモにまで発展した》

 いわれのない批判を浴びせられたが、機密費の本当の行方は言えなかった。発表してメディアに書かれた瞬間、世界中の台湾の友人に迷惑をかけてしまい、国際社会における台湾の信用も失墜してしまうことは目に見えていたからだ。

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