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【話の肖像画】台湾元総統・陳水扁(69)(26) 銃撃、リコール、波乱の2期目

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銃撃を受けたあと、近くの病院で応急手当てを受けた。腹部に14針縫う傷を負っていた
銃撃を受けたあと、近くの病院で応急手当てを受けた。腹部に14針縫う傷を負っていた

 《2004年3月に行われた2期目の総統選挙も激しい戦いになった。再選を目指す自身に対し、2大野党、国民党と親民党が合体し、4年前の選挙で次点と3位になった2人、連戦氏と宋楚瑜(そう・そゆ)氏が総統、副総統候補として名乗りを上げた》

 4年前の選挙では国民党の分裂によって、私は39%の得票率ながら当選した。いわば漁夫の利を得た形だ。相手が一本化したことによって情勢は厳しくなったが、私は負ける気がしなかった。1期目の4年間、経済成長が順調で、社会も安定しているという実績があり、民進党内の世論調査では、僅差ながら勝てるという結果が出ていた。

 しかし、投票日の前日、故郷・台南での遊説中に銃撃されたことは予想外だった。そのとき、私と副総統の呂秀蓮氏はオープンカーに立って沿道の支持者に手を振っていた。突然、腹部に激痛が走った。銃弾がへそ下の皮膚と筋肉をかすめて通過したのだ。私は最初、誰かが投げ込んだ爆竹と思ったが、スタッフが車のフロントガラスにクモの巣状のヒビが入ったのを見つけ、初めて銃撃されたことに気付いた。

 《呂氏も膝を撃たれて軽傷を負った。近くの病院で応急手当てを受けた。下腹部に深さ2センチ、長さ11センチの傷が残ったが、幸い内臓に到達していなかった》

 病院に到着したとき、私は担架に乗ることを拒否し、痛みを我慢しながらゆっくり歩いて院内に入った。「私は台湾のリーダーだ。銃弾に倒れた姿を民衆に見せてはいけない。民主主義はテロに負けるわけにはいかない」と考えながら。しかし、歩いて病院に入ったことが後に、相手陣営から「自作自演」「仮病」などと攻撃される根拠になるとは、当時は想像もしなかった。

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