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ロックダウンできない日本 諸外国で目立つ強制力

 新型コロナウイルスの感染拡大で実施の是非が注目を集めた「ロックダウン(都市封鎖)」。海外ではロックダウンした上で外出禁止令を出したり、違反者の逮捕や罰金に踏み切ったりする国もある。日本では緊急事態宣言が出され、16日に対象地域が全国に拡大したが外出に罰則などはなく、政府も海外のような都市封鎖は「できない」との立場。背景には憲法が絡む問題もあるという。(桑村朋、杉侑里香)

交通網封鎖、外出禁止

 「フランスのようなロックダウンはできない」。4月1日の参院決算委員会で安倍晋三首相が答えた。フランスは厳しい外出制限を設け、違反者に罰金を科していた。これに対し日本では、こうした対応は法律上不可能だという。

 ロックダウンは本来、刑務所の封鎖を意味するとされる。暴動などの後、安全のために囚人を監房に閉じ込める措置を指す。これが緊急時の安全確保を目的に、国が人の移動や企業活動などを制限する意味に転じたとされる。

 中でも大きな特徴は、当局が強制力を使い、個人の私権を制限することだ。

 現に海外では、厳しいロックダウンに踏み切る例が目立つ。

 ウイルス蔓延(まんえん)の発端となった中国・武漢市は全交通網を封鎖。外出も禁じ、食料品の購入も宅配利用を徹底させた。英国やイタリア、米国も罰則付きの外出禁止令を発令。企業活動を停止させた国もあった。

緊急宣言も「要請」止まり

 日本はどうか。

 政府が4月7日に7都府県に緊急事態宣言を出した際には、各知事が外出や店舗営業の自粛を要請できるようにした。また3月に改正された感染症法は、72時間以内との条件つきで、集団感染が起きた場所などの周辺への立ち入り制限を可能とした。

 だが宣言後も、一般市民の暮らしに大きな強制力は及んでいない。海外メディアからは「見せかけだ」と実効性を疑問視する声も上がった。また、感染症法による制限も消毒作業などを目的とし、厳格なロックダウンを想定したものではなかった。

 なぜ日本では強制力を伴う措置ができないのか。

 「日本国憲法に国家緊急権が規定されていないことが背景にある」と指摘するのは、大和大の岩田温(いわた・あつし)准教授(政治学)だ。

 国家緊急権は戦争や大災害の際に憲法秩序を一時停止し、国民を守るための緊急措置を取る権限。憲法などに緊急事態条項として規定されていたりするが、こうした国では新型コロナウイルスの感染拡大で、外出禁止違反者への罰則をはじめ、私権を制限する法整備を行うことも多い。

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