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【島を歩く 日本を見る】最西端で「国境」感じる 与那国島(沖縄・与那国町)

周囲27・49キロ、面積28・96平方キロの与那国島。美しい景観を誇る一方、「国境のとりで」でもある
周囲27・49キロ、面積28・96平方キロの与那国島。美しい景観を誇る一方、「国境のとりで」でもある
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 周囲を海に囲まれた島国で暮らしていると、日常で「国境」を意識することは少ない。あの山や川、砂漠を越えたら別の国だという境界線もなく、まして船で異国へ行くこともほぼないため、国境の存在感が日本人には希薄なのだろう。

 それが、日本の島々を旅するうちに、私はたびたび「国境」を感じるようになった。たとえば、沖縄県西南諸島の与那国島(与那国町)。言わずと知れた日本最西端の島であり、台湾まで約111キロだ。同じ八重山列島の石垣島よりも近い距離にある。

 日清戦争の後、台湾は日本の統治下に入り、多くの人が与那国島から台湾へ渡った。内地よりも近く、大都会だった台北へと、島の人たちはよく旅行にも出かけたそうだ。そこに「国境」はなかった。しかし、今は他国。それゆえ、中国の海洋進出に対する防衛力強化のために、平成28年には陸上自衛隊の駐屯地と沿岸警備隊が創設された。

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 与那国島では、沖縄の島らしい青い海が広がり、気持ちのよい潮風をどこでも感じる。スローな時間に、与那国馬があちこちで草をはみ、牧歌的だ。冬でも暖かく、ダイバーにとってはハンマーヘッドシャークが見られる聖地で、謎めいた海底遺跡をめぐるダイブも人気がある。

 一方で、集落はもっとも大きな祖納(そない)でさえ、人影はまばら。出会った理髪店の店主は「島でここが最後の理髪店。人が少なくてね」と寂しげだった。かつて著名人がこぞって別荘を建てた夢の島は、閑散としているのが現実だ。

 飲食店も宿も少なく、観光客には難易度が高い旅先かもしれない。それでも、自衛隊員が家族連れで駐屯していることで、島は活気づいてはいるという。

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