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【話の肖像画】台湾元総統・陳水扁(69)(20)総統当選、不本意な「四不一没有」

 《5月20日の就任演説で、対中政策について以下のように述べた。「中国が台湾に対し武力行使の意図がなければ、任期中に『独立を宣言しない』『国名を変更しない』『二国論を憲法に入れない』『独立の是非を問う住民投票を行わない』『国家統一綱領の廃止という問題もない』」。のちに「四不一没有」(4つのノーと1つのない)と名付けられ、大きく報じられた》

 はっきり言って私の本音ではなかった。でも中国との軍事的緊張を緩和させ、米国を安心させるためにはそう言わざるを得なかった。政治には妥協がつきものだとつくづく思った。実は、中国側とも水面下で交渉していた。当時の中国の最高指導者、江沢民氏の後見人といわれた汪道涵(おう・どうかん)氏から特別ルートを通じてメモが渡されていた。「一つの中国」原則と「両岸の人民はともに竜の子孫」の2つのくだりを入れてほしいと書いてあった。

 「一つの中国」原則を認めたくないので、「将来、一つの中国の問題について一緒に解決していきたい」という表現にした。「竜の子孫」に関しては「そもそも竜は存在しないもので、その子孫はいないだろう」と思い、「両岸の人民の血はつながっており、共同の歴史と文化を有す」という言葉に変えた。

 中国側の意見をほぼ受け入れたことで、私としては十分な誠意を対岸に伝えたつもりだった。(聞き手 矢板明夫)

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