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【話の肖像画】台湾元総統・陳水扁(69)(20)総統当選、不本意な「四不一没有」

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2000年5月20日に総統就任式で、退任する李登輝氏に拍手を送る
2000年5月20日に総統就任式で、退任する李登輝氏に拍手を送る

 《2000年3月18日、中華民国の総統選挙の投開票が行われた。自身は約498万票で当選、2位の宋楚瑜(そうそゆ)氏は約466万票、3位の連戦氏は約293万票だった。50年以上に及ぶ中国国民党による台湾支配に、ついに終止符が打たれた》

 当選が決まった瞬間、各地の民進党支持者は家を飛び出し、爆竹を鳴らすなどして喜びを爆発させた。台北市内の選挙本部前のステージに立った私は副総統の呂秀蓮氏と手を高く挙げ、大歓声に応えていた。壇上でうれしさと同時に、責任の大きさもかみしめていた。

 選挙期間中、「台湾独立の主張」は棚上げしたが、相手陣営からは「民進党政権が誕生すれば、必ず中国と戦争になる」と攻撃されていた。私を「火遊びする危ない人」とみる人は依然として多い。総統に当選したのだが、米国との信頼関係はまだ構築していないし、北京の中国首脳とのパイプもほとんどない。私に与えられた最初の大仕事は、みんなを安心させて、無事に政権をスタートさせることだった。

 《総統就任式は当選から約2カ月後に行われた。政権交代後、初めてとなる就任演説の内容は国内外の最大の関心事となっていた》

 交代前の総統、李登輝氏を訪ねて相談した。貴重なアドバイスをもらった。「台湾の安全は2本の柱によって支えられている。1本は中華民国の憲法、もう1本は国家統一綱領だ。この2本の柱を壊さなければ、その下で自由に動いて大丈夫だ」と李氏は言った。憲法を守るとは、国名を変更しないことを指す。国家統一綱領を守るとは、国民党時代に決めた「将来は中国との統一を目指す」という対中基本政策を変更しないことだ。逆に言えば、この2つのことさえ守れば、中国が台湾を侵攻する口実がないということだ。

 米国側とも意見を交換した。ただ、事前に就任演説の原稿をチェックしてもらうようなことは絶対したくないので、ホワイトハウスに対して「対中問題に関しては選挙期間中の発言範囲内のことしか言わない。安心してくれ」と説明し、納得してもらった。

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