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【高見国生の認知症と歩む】(36)施設とワンチームに

 2月14日の本欄で、車椅子の妻(76)を玄関前の5段の階段から下ろすことができず、困っているKさん(76)を紹介しました。さて、その後どうなったか? ご報告しましょう。

 Kさんの妻は、通所介護、訪問介護、泊まり介護が1カ所でやってもらえる小規模多機能施設を利用しています。ここに通えなくなったら、Kさんの生活も成り立ちません。なんとか階段の上り下りをしなければならないと、Kさんも必死でした。

 まずやってみたのがKさんの体力と力に頼るおんぶベルトでした。お尻を包むようなベルトでおんぶするのですが、立ち上がるときに腰を痛めそうで、施設のスタッフに「リスクが大きすぎる」と止められました。妻の腰にベルトを巻いて歩行を助ける介助ベルトは、妻が痩せているのでベルトがしっかり留まらずダメでした。

 次にやってみたのは、いつもの車椅子での上り下りです。やってみたら下りるのはなんとかできたのですが、上がるのは力不足で無理でした。

 そこで介護用品会社と相談して編み出したのが、階段に幅70センチ、長さ2・8メートルの長いスロープをかけて、車椅子を押して上下するという方法です。これもかなりの力を必要とするのですが、Kさんでもなんとかでき、送迎のスタッフは今ではスムーズにやってくれています。

 こうして試行錯誤する経過の中で、Kさんが気づいたことがあります。施設のスタッフが、だんだん本気で協力してくれるようになったことです。専門的知識とつながりをいかして、さまざまな情報を仕入れ、スタッフ仲間でも相談してくれました。Kさんにとっては心強いことでした。

 「信頼が深まり、施設と私がワンチームとして介護する態勢ができたと思う」とKさんは語っています。

 たかみ・くにお 認知症の養母を介護し、昭和55年に「認知症の人と家族の会」を設立。平成29年まで代表を続け、その後は顧問を務めたが今年3月に退任。同会は全国に支部がある。

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