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緊急事態宣言対象外の鬼怒川温泉から人が消えた「生活していけない」

ほとんど人のいない東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅前=8日午後、日光市鬼怒川温泉大原(根本和哉撮影)
ほとんど人のいない東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅前=8日午後、日光市鬼怒川温泉大原(根本和哉撮影)

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、7都府県に緊急事態宣言が発令され8日からさらなる自粛が始まったことを受け、対象外の栃木県でも、観光地への影響が広がっている。長引くコロナ禍ですでに観光客が大幅に減っている中で、旅館やホテル、飲食店などがより打撃を受けるのは必至。長期休業を決める事業者も出始め、関係者らは「非常事態。何とかこらえるしかない」と話している。

 東京都内などから多くの観光客が訪れる日光市の鬼怒川温泉では、例年ならにぎわいを見せる温泉街から人が消えた。聞こえてくるのは多くの事業者の嘆きだ。

 同地区のタクシー運転手、長岡則明さん(67)は「お客さんはいないに等しい」と漏らす。例年なら平日でも1日10人前後は客を乗せるというが、8日は昼過ぎの時点でわずか2人。1日の売り上げは4千円にも満たないという。「会社内で出勤する運転手を減らしてもこの状態。宣言の期間が終わっても、みんなしばらくは旅行どころではないだろうし、生活できなくなる」と厳しい表情で語った。

 東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅の近くで土産店と飲食店を営む小高幸枝さん(71)は「何割減った、では済まない。お客さんはゼロ」と肩を落とす。3月初旬から客が減り始め、商品を値引いたり、従業員が自ら商品を購入したりして努力を続けてきた。しかし、そもそも観光客が来ないので限界は近い。

 この日も夕方まで営業を続けたが、訪れた客はわずかに1人。小高さんは「従業員の給料が払えなくなるから休業はできない。国は補償金を出すらしいが、今すぐもらえないと本当に潰れる」と訴えた。

 旅館やホテルでは、宣言前でも地区全体で宿泊予約の8割以上がキャンセルとなっていたが、宣言後は、ゴールデンウイーク中の予約のキャンセルが加速している。

 地区で最も多い約260室の客室を持つ「きぬ川ホテル三日月」は、今月6日から17日の臨時休業を決めた。担当者は「中途半端に営業するより、休業してランニングコストを節約すべきだと考えた。宣言の期間が延びるようなことがあれば、休業の延長もありえるだろう」とため息をついた。(根本和哉)

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