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【話の肖像画】台湾元総統・陳水扁(69)(17)2期目へ意欲、よもやの落選

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台北市長選の政策討論会に出席する馬英九氏(左)と
台北市長選の政策討論会に出席する馬英九氏(左)と

 《1996年3月、台湾で初めてとなる直接投票による総統選挙が行われた。国民党から台湾本土派路線を推進する現職、李登輝氏が出馬したが、党内で中国との統一を主張する2つのグループから林洋港氏と陳履安氏の2人も出馬した。民進党は台湾独立を主張する大御所、彭明敏(ぼう・めいびん)氏を擁立して戦った》

 私は台北市長として全力で彭氏を応援した。しかし、台湾の民主化を決断した李氏の人気が高く、「これは勝てないな」と思った。一方、中国政府は台湾の独立の動きを牽制(けんせい)しようと、選挙前に台湾近海でミサイル演習を行い、中台間で軍事的緊張が高まっていた。

 李氏はこの中国の行動を「国家テロ」と批判し、国民に結束を呼び掛けた。強いリーダーを演出したことで、民進党の支持者の票も一気に李氏に流れてしまった。結局、得票率54%の李氏が圧勝し、次点ながら彭氏の得票率はわずか21%だった。民進党にとって反省材料をたくさん残した総統選となった。

 《総統選で圧勝した国民党だが、次に狙ったのは台北市の奪還だった。その約2年後に行われた台北市長選挙に、プリンスと呼ばれた元法務部長(法相に相当)、馬英九氏を擁立した》

 甘いマスクで、特に若い女性に人気が高い馬氏が相手になったが、選挙戦に突入するまで全然負ける気はしなかった。私と私のチームの努力で、前の市長選で公約した政策はほぼ実現していた。交通、治安、教育、ゴミなどの諸分野で、目に見える形で台北市が良くなっていた。国民党系の新聞、聯合報が行った世論調査でも、市長に「満足している」と答えた有権者は76%だった。私は頭の中で2期目の台北市改革構想ばかり考えていた。

 しかし、現実は厳しかった。前回の選挙で分裂した国民党支持者が馬氏支持で一本化し、これで勢いがついた。特に投票日の直前、人気の高い総統、李氏が支持者集会で、中国から渡ってきた外省人出身の馬氏を「彼は新台湾人だ」と強調したことがメディアに大きく報道され、情勢が変わった。

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