PR

ライフ ライフ

認知症家族支えて40年 初代代表が顧問退任

 認知症になった人と家族を支援する公益社団法人「認知症の人と家族の会」(本部・京都市)の初代代表、高見国生さん(76)が3月末、同会の顧問を退任した。昭和55年に発足した同会が今年40周年を迎えたのを機に、会の運営から完全に身を引く。高見さんは「どんなに制度が進んでも、人の心を救うのは人とのつながり。会の発展を後の人に託したい」とエールを送る。(加納裕子)

「認知症の人と家族の会」初代代表の高見国生さん=30日午前、京都市上京区(永田直也撮影)
「認知症の人と家族の会」初代代表の高見国生さん=30日午前、京都市上京区(永田直也撮影)
その他の写真を見る(1/4枚)

 京都府庁の職員として働いていた昭和47年、同居していた75歳の養母が認知症を発症した。失禁が続くようになり、「やってられるか、と思ったけれど、どうしようもなかった」。当時、公的な支援制度は皆無。途方にくれていたとき、認知症の家族の集まりに誘われて参加し、驚いた。「自分一人が苦労しているわけではないこと、もっと大変な人がいることを知り、もうちょっと頑張ろうと思えた」と振り返る。

 地元の医師らとともに家族の会を立ち上げ、代表に就任。20人ほどの団体の代表のつもりだったが、結成総会に全国から約90人が集まった。各地に苦しんでいる家族がいることに気づき、また驚いた。参加者らはそれぞれの地元で支部を作り、全国組織になった。

インタビューに応じる「認知症の人と家族の会」初代代表の高見国生さん=30日午前、京都市中京区(永田直也撮影)
インタビューに応じる「認知症の人と家族の会」初代代表の高見国生さん=30日午前、京都市中京区(永田直也撮影)
その他の写真を見る(2/4枚)

 「家族が語り合って精神的に支え合うだけでなく、社会的な支援制度が必要」との思いから、57年には初めて厚生省(現・厚生労働省)に支援策を要望。その後も、現場の家族の悩みを施策につなげるための提言を続けてきた。

 「自分の介護には間に合わなくても、将来の家族のために、今の制度をもっとよくする義務があると信じて動く。それが『家族道』なんです」と高見さん。今も介護に悩む人は後を絶たず、「認知症になっても安心して暮らせる社会」という目標は遠い。それでも、「願いが実現するよう努力した人生は、実りある人生だった」と言い切る。

認知症の国際会議であいさつする高見国生さん=京都市左京区
認知症の国際会議であいさつする高見国生さん=京都市左京区
その他の写真を見る(3/4枚)

 平成29年4月に2度目の国内開催となった認知症の国際会議を成し遂げ、同年6月に代表を退任。その後も電話相談員などとして活動し続けてきたが、ともに同会を創設した2人の医師が相次いで亡くなったことで「人心を一新すべきだ」と考えるようになり、40周年の節目に完全に身を引くことを決めた。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ