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【話の肖像画】台湾元総統・陳水扁(69)(15)公約実現へ改革断行

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現場主義に徹した台北市長時代。汚泥処理問題を解決するため、下水道も視察した
現場主義に徹した台北市長時代。汚泥処理問題を解決するため、下水道も視察した

 《1994年の台北市長選で勝利し、民進党出身として初めて台北市長となった。まず取り組んだのは市職員の意識改革だった》

 国民党政権は権威主義的な手法で国を支配していたため、その下にいた公務員たちにはエリート意識が強く、サービス精神が薄い。私はまず、市役所の接客カウンターの高さを120センチから75センチに下げることを決めた。それまでは職員が座って接客し、カウンターから顔しか出していなかった。その下に隠れて本を読んだり、セーターを編んだりする職員もいた。私はカウンターをテーブルの高さにし、訪れた市民に椅子とお茶を出すように指示した。「厳しい公務員試験をパスした私たちが、窓口に来たホームレスにもお茶を出すのか」といった抵抗があったが無視した。

 小さな改革だが、「市役所はサービス業」という意識を徹底したことで、台北市の行政効率が大きく改善した。市のイメージもよくなった。日本のNHKがわざわざ取材にきて、「台北市の変化」を紹介する特別番組を作ったことを今でもよく覚えている。

 《「2年以内に台北市の交通渋滞を解決する」「工事が停滞していた地下鉄を開通させる」「公的施設のトイレをきれいにする」…。選挙時に掲げた一連の公約を実現させるため、走り回った》

 以前の市長は中央政府の任命だったから、与えられた仕事をそつなくこなし、あとは自分を抜擢(ばってき)してくれた上司の機嫌だけを取ればよかった。私は投票によって選ばれており、市民の期待に応える、目に見えた成果を挙げなければならない。市長室で報告書を読むだけでは問題の全容が見えない。専門家を引き連れて現場に行き、担当者から直接事情を聴いてから判断する。そうして公約を一つずつクリアしていった。

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