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【聞きたい。】『有毒!注意!危険植物大図鑑』毒は薬にも、多様性守りたい 保谷彰彦さん 

保谷彰彦さん
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 著者は、“タンポポ博士”とも呼ばれるサイエンスライター。「危険植物」の図鑑の出版は、生物多様性の観点から「生物の保全に貢献したい」との思いからだ。日本に生育する野生植物8800種のうち、環境省の「レッドリスト2020」に掲載される絶滅が心配される種は2245種で、このうち39種がすでに絶滅(野生絶滅含む)したと報告されている。

 「植物を含めた生物が、人為的な影響で絶滅しない社会を実現するのが私の願い。そのためには、多くの人に生物に関心を持ってもらうことが大切で図鑑がそのきっかけになれば」

 掲載種は、毒キノコを含め171種。公園や道端など身近でみかける植物に、心臓毒や神経毒などの有毒成分を含むものがあることを教えてくれる。一方で、有毒植物の中にはがんなどの薬になり、私たちの命を救ってくれるものもある。

 「長い歴史の中で人類は植物から多くの薬の成分を得てきた。ただ、探索されている植物はまだほんの一部。もっと調べれば、新規で効果の高い薬、例えば新型コロナに効く薬が見つかるかもしれない。植物が絶滅すれば、重要な薬を手に入れるチャンスがなくなってしまう」

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 美しい花を咲かせる植物の写真は、野山などへ出かけ1年かけて撮影した。

 有毒植物を知らずに食べて食中毒になる事故は毎年のように起きている。中でも多いのがスイセンで、ニラと間違えて食べてしまう人が後を絶たない。図鑑で身近な植物の危険性を知ることは、自分や家族の命を守ることにもつながる。

 「有毒植物を簡単に見分ける方法はないので、一つ一つ特徴を覚えてもらえれば。これからの季節、野山に出かける前にチェックして危険に備えるのはもちろん、さまざまなエピソードを知ってもらうことで植物に畏敬の念のようなものを感じてもらえればうれしい」(あかね書房・4000円+税)

 平沢裕子

【プロフィル】保谷彰彦

 ほや・あきひこ 昭和42年、東京都生まれ。東大大学院博士課程修了。草花散歩会などを行う「たんぽぽ工房」主宰。大学の非常勤講師も務める。著書に「タンポポハンドブック」など。

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