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休校延長 年間授業時数どう確保? 「学力の地域差」強まる懸念

都立青山高校の校門前=1日午後、東京都渋谷区(鴨川一也撮影)
都立青山高校の校門前=1日午後、東京都渋谷区(鴨川一也撮影)

 5月の大型連休後の授業再開を決めた東京都に続き各自治体が臨時休校の延長を検討する中、年間に必要な授業時数を確保できず、児童生徒の学力などに重大な影響が生じる懸念が強まっている。延長する地域とそうでない地域との間で学力に差が出る恐れもあり、文部科学省では各自治体などに対し、休校延長にあたっては冷静に判断するよう求めている。

 学校教育法施行規則などには小中学校の各学年・各教科ごとに必要な年間の標準授業時数が定められており、例えば小学1年の総授業時数は850時限、6年は1015時限(1時限は45分)となっている。

 文科省によると、災害やインフルエンザなどで学級閉鎖となる場合など、不測の事態であれば授業時数を下回っても法令違反にならない。しかし、今回のように年度の初めから広範囲で授業不足が懸念される事態は極めて異例だ。

 不足分を回復するため、授業再開後に(1)学校行事の見直しや精選(2)夏休みなどの短縮(3)土曜日授業や放課後授業の実施-などの対策も可能だが、文科省幹部は「小学校では今年度から新しい学習指導要領が全面実施されるので、学校現場では授業計画などを入念に準備してきた。その計画が最初から大きく狂うことになり、相当な混乱が予想される」と指摘する。

 さらに懸念されるのは、地域間の学力格差が広がることだ。文科省は1日に公表した臨時休校についての新ガイドラインで、「令和2年度の教育課程の実施に支障が生じる場合には、教科書に基づく家庭学習」を工夫して行うよう学校現場に求めた。だが、家庭学習は教員の目が届きにくい上、どれだけやるか個人差があり、休校が長期に及ぶ地域で学力低下が進むのは避けられない状況だ。

 こうした中、文科省は新ガイドラインで、児童生徒が感染したからといってすぐに休校するのではなく、「学校内にすでに感染が拡大している可能性や今後拡大する可能性」を十分検討し、休校の判断をするよう求めている。

 公立中で教員経験を持つ東京学芸大教職大学院の今井文男特命教授の話 

 「学校再開を5月まで延期するという判断は仕方がないと思うが、そのかわりに4月再開地域の子供と学習面で差が付かないように、オンライン授業など子供たちが家庭で勉強できる手立てを早急に考えないといけない。今はどの家庭にもパソコンやスマートフォンが1台はあり、オンライン化の基盤は整っている。そうでなくとも(1人1台の学習用端末を整備する)文部科学省のGIGA(ギガ)スクール構想を前倒しで進めなければならない。1カ月分以上の学習量を補習などで穴埋めするとしたら夏休みはなくなるだろうし、夏休みをつぶしても難しいのではないか。それに感染が拡大している地域では、本当に5月に学校が再開できるという保証もなく、感染リスクのない学習方法を整備することが最優先だ。特に受験を控える子供にとっては深刻なことになる」

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