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推計超える東京の感染急増 若者への呼びかけカギ

渋谷のスクランブル交差点付近では、いつもより人通りが少なかった。中央は、臨時休業している商業施設「SHIBUYA109」=28日午前、東京都渋谷区(佐藤徳昭撮影)
渋谷のスクランブル交差点付近では、いつもより人通りが少なかった。中央は、臨時休業している商業施設「SHIBUYA109」=28日午前、東京都渋谷区(佐藤徳昭撮影)
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 新型コロナウイルス対策のために出された不要不急の外出自粛要請により、28日の首都東京では閑散とした景色が広がった。繁華街などに経済的損失を伴う異例の対応の背景には、厚生労働省の推計を大幅に上回る感染者の増加がある。爆発的急増を回避できるかは、症状が軽いため無自覚になってしまう若者を中心に慎重な行動を続けられるかにかかっている。

 普段なら若者でにぎわう渋谷ではファッションビル「SHIBUYA109渋谷」が休館になるなどし、人通りがまばらだった。

 厚労省対策班が都に示した21日付の文書では対策を強化しなければ、都内で25日までに51人、26日~4月1日で159人、2~8日で320人の感染者が出ると推計。だが現実は厳しく、3月21~25日で83人に上り、26日47人、27日40人、28日も63人(速報値)と急増傾向に突入している。

 対策班が警鐘を鳴らすのは、若者が多く住み、首都圏各県からの往来が活発な東京の特殊性だ。若者は症状が軽症にとどまるため、無自覚のうちに重症化リスクのある高齢者らに感染を広げる恐れがある。

 都内の感染者の行動調査では夜の繁華街で開かれた飲食を伴う会合が感染の場となった可能性が浮上しており、都は平日でも夜間の外出を控えるよう要請している。だが平日の夜、新宿などの繁華街ではグループで飲食する若者やビジネスマンの姿はみられた。

 27日の都の対策本部会議で小池百合子知事は「まだ都民一人一人の危機意識を高める取り組みが必要。特に若い世代の慎重な行動が求められている」と指摘。都は若者が多く利用する無料通信アプリ「ライン」の公式アカウントを通じて、感染リスクのある場所を避けるよう呼びかける動画を配信している。

 潜伏期間などから感染判明は約2週間後とされ、警戒感の緩みが指摘された20~22日の3連休の感染への影響は今後、顕在化する。そして、今回の外出自粛要請の効果が出始めるのは4月中旬ごろとみられる。

 都は12日まで週末の外出自粛を要請。東北医科薬科大の賀来満夫特任教授(感染症学)は「若年層は感染を広げるリスクが高く、呼びかけは極めて効果的だ」と評価する一方、「出口が見えないと国民の間で不安、疑心暗鬼が広がる。小池知事は要請解除をめぐり高度な政治判断が求められるだろう」と指摘する。(高久清史、植木裕香子、大森貴弘)

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