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埼玉のイチゴ農園、深刻な打撃 外出自粛要請で

イチゴハウスの入り口に用意された利用客向けアルコール消毒液=26日、埼玉県横瀬町の小松沢レジャー農園(飯嶋彩希撮影)
イチゴハウスの入り口に用意された利用客向けアルコール消毒液=26日、埼玉県横瀬町の小松沢レジャー農園(飯嶋彩希撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、首都圏1都3県は28日、各都県による外出自粛要請を受けた「厳戒」の週末に突入する。埼玉県内の多くの行楽地や観光名所は、東京都心などから日帰りで行き来できることをアピールして誘客を図ってきただけに、その影響は甚大だ。とりわけ、春の観光の目玉ともいえるイチゴ観光農園では、感染拡大による客足減少のさらなる深刻化が危ぶまれている。

 「この時期の観光はイチゴのみと言ってもいいのに…」

 特産品の旬の時期を直撃した災厄に、埼玉県の担当者は表情を曇らせる。

 イチゴ狩りを楽しむことができる県内の観光農園は90園(今年1月時点)に上り、例年は多くの観光客でにぎわう。

 ところが、今年は新型コロナウイルスの感染者が国内で出始めたころから徐々に訪れる人が減り始め、3月はツアー客の予約の多くがキャンセルとなった。県の担当者によると、キャンセルした人はすでに計数千人に及んでいるという。

 イチゴの食べ放題やニジマスのつかみ取りを楽しむことができる小松沢レジャー農園(横瀬町横瀬)は、通常は週末だけで千人近い団体客が利用する人気施設だが、3、4両月分の団体客の予約が全てキャンセルになった。

 今月20~22日の3連休は、好天に恵まれたこともあって県内の個人客を中心に一時的に客足が戻ったが、ここにきて5月分もキャンセルが入り始めたという。

 従業員のマスク着用、客に対するアルコール消毒呼びかけなどの取り組みを徹底し、懸命に客を呼び戻そうと取り組んでいた矢先の外出自粛要請…。農園を経営する町田恒夫さん(69)は「個人のお客さんがようやく来てくれるようになったのに、埼玉でも外出自粛となると話は変わる。50年近く経営してきて、雪でイチゴハウスが全壊するなどピンチをたくさん経験してきたが、今回は先が読めず対策を立てられない」と漏らす。

 敷地面積7千平方メートルのイチゴハウスには、赤く熟した「とちおとめ」などの甘い匂いが立ち込めている。客の急減による食品ロスを防ぐため、同農園では、普段は断っている持ち帰りを認めたり、キャンセルした団体客の会社や近くの老人ホームにイチゴパックやジャムを販売したりしている。

 「農園が閑散としていても、こちらは配達でてんてこ舞い。大切に育てたイチゴを食べてもらうため、頑張りどころだ」と担当者。町田さんは「こういうときこそ『ピンチはチャンス』ととらえ、基本に立ち返る」と前を向いた。

(飯嶋彩希)

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