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【話の肖像画】台湾元総統・陳水扁(69)(6)運命を変えた「美麗島事件」

 《1980年2月28日、美麗島事件の被告の一人、林氏の自宅が暴漢に襲われ、林氏の母親と7歳の双子の娘が殺害され、9歳の長女が重傷を負った。この事件は台湾社会に大きな衝撃を与えた。事件は未解決だが、治安当局の息がかかった人による政治テロの可能性が大きいと指摘されている》

 当時、知識人を中心に美麗島事件に同情する世論が高まっており、当局はこうした事件を通じて「反抗するな」と社会に恐怖を植えつけようとした可能性がある。林家の事件の前に、美麗島事件を担当する弁護士の家が襲われるかもしれないとの噂が流れていた。恐喝電話が実際にかかってきた人もいた。みんな緊張していた。私も万が一のことに備えて、妻と子供を親戚の家に避難させた。林家が襲われた翌日、私が帰宅すると、家に誰かが入った気配があった。近くに住む妻の兄を呼び、2人で野球のバットを持って再び家に戻ると、リビングと寝室が荒らされ、結婚指輪がなくなっていた。高くはないが思い出の指輪だ。この窃盗事件の真相もいまだに不明だが、指輪を取ることで私に「事件から手を引け」と警告を与えるつもりだったのかもしれない。卑怯(ひきょう)なそのやり方が私の正義感に火をつけ、最後まで戦い抜こうと心の中で誓った。(聞き手 矢板明夫)

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