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【話の肖像画】台湾元総統・陳水扁(69)(5)弁護士で大成功、迷った米留学

 私も米国に行って法律をもっと勉強したい気持ちがあった。真剣に迷った。しかし結局、見送ることにした。すでに一家の大黒柱になった私が米国に行けば、両親の面倒を見る人がいなくなり、再び貧乏の生活に戻るかもしれないと心配した。同時に、米国に行けば私を信頼して頼ってきたクライアントを放り投げることになる。そんな中途半端なことをしたくなかった。

 《今でも思い起こすことが多いという。「あのときはまさに大きな分かれ道だった。もし違う選択をしていたら、全く違う人生を送っていただろう」と》

 数年前、刑務所の独房にいたときによく考えていたことだが、もし20代のときに政治の世界に入らず、弁護士を続けていたら、私は今頃、台湾の法曹界を代表する大御所になっていたかもしれない。あるいは米国に留学して博士号をとっていれば、学者としてもおそらくそれなりに成功していただろう。

 しかし、悔いはなかった。政治家になったことでさまざまな人と出会い、得難い経験をさせてもらった。何より貴重なのは、仲間と一緒に最前線で国民党一党独裁政権と闘い、それに打ち勝ったことだ。愛する故郷、台湾の自由と民主化のために、微力ながら自分の力を貢献できたこと、それが私の人生の最大の誇りとなっている。もし20代に戻り、もう一回、人生を選べたとしても、私は今と同じ道を選ぶだろう。(聞き手 矢板明夫)

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