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【がん電話相談から】悪性リンパ腫寛解後に再発 つらい治療は避けたい 負担軽い「救援療法」

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 Q 60代の男性です。平成26年1月、腰痛がありクリニックを受診し、MRI(磁気共鳴画像装置)検査でヘルニアと診断されました。痛みが増し、モルヒネを内服しても効果がなく、同年6月に病院を変えて検査したところ、悪性リンパ腫との診断で、病変は腋窩(えきか)(わきの下)や頸(けい)部(首)のほか、肝臓にも認められました。R-CHOP療法が行われました。副作用で体重が約20キロも減少しましたが、同年12月に寛解に入りました。

 あるがんセンターに転院して経過観察していましたが、昨年12月に腫瘍マーカーが上昇。今年1月、PET(陽電子放射断層撮影)検査で腸間膜の異常集積が認められました。「腸間膜は動くところだから生検(針などで組織を採取する病理検査)はできない」と言われました。

 A R-CHOP療法が行われたことから、あなたの悪性リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫のうち一番頻度の高いタイプの「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」だと思われます。

 R-CHOP療法のうち、CHOPは3種類の抗がん剤(エンドキサン、アドリアシン、オンコビン)とステロイド剤を併用します。「R」は分子標的薬のリツキサンのことです。次はどのような治療を提案されていますか。

 Q 別の抗がん剤治療です。R-CHOP療法でもかなり体がたいへんだったので、抗がん剤はせずにリツキサンだけの治療はできませんか。

 A リツキサンは、「CD20」という特有のタンパク質に結合して攻撃する薬剤です。リツキサン単独でも、効果は不十分かもしれません。

 Q キムリア(CAR-T細胞療法)という治療法を聞きましたが。

 A 昨年保険適用になった治療方法です。患者さんから採取したT細胞(リンパ球の一つ)に遺伝子操作を行って標的であるがん細胞の目印(CD19)を認識するアンテナを付け、攻撃力を増強させたうえで、患者さんの体内に戻す治療方法です。「CD19陽性」という条件があるので検査で調べ、主治医との相談となります。これにも副作用があります。

がん研有明病院血液腫瘍科部長・照井康仁医師
がん研有明病院血液腫瘍科部長・照井康仁医師
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 Q では温熱療法は可能でしょうか。

 A 白血病や悪性リンパ腫などの血液がんに対する温熱療法の報告はあまりなく、科学的データに基づく治療成績も出ていません。

 Q 主治医に各種の治療法について聞くと、「私の治療方針を受け入れないなら、よそに行ってくれ」と言われました。私はこれ以上、つらい治療は受けたくありません。

 A 初回のR-CHOP療法に抵抗性があり、再発性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の患者さんには、救援療法と呼ばれるさまざまに薬剤を組み合わせた治療があります。比較的、体の負担が軽いものもあります。しかし、抗がん剤治療に気がすすまない場合、病巣が限局にあるならば、放射線療法も選択の一つになるでしょう。(構成 大家俊夫)

 悪性リンパ腫は血液のがんの一つで、白血球の一種であるリンパ球(B細胞やT細胞など)が、がん化することで発症する。一般に固形がんから転移するリンパ節転移とは区別される。

 照井医師によると、悪性リンパ腫は血液のがんの中で一番多い。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別され、日本では9割以上が後者を発症する。初期の症状について「痛みのないリンパ節の腫れのほか、発熱、寝汗、体重減少などがある。こうした症状が長引く場合は専門医に相談することが大切です」と照井医師は話している。

 回答は、がん研有明病院血液腫瘍科部長の照井康仁医師が担当しました。専門医やカウンセラーによる「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時に受け付けます。03・5531・0110、無料。個人情報を厳守します。相談内容が本欄やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。

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