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【話の肖像画】台湾元総統・陳水扁(69)(2)極貧生活が培った勇気

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幼少期に父親と(左が本人)
幼少期に父親と(左が本人)

 《台湾南部、台南市郊外にある「西荘」という小さな村に生まれた。約300年前、中国の福建省詔安県の滋窯(じよう)村から海を渡ってきた陳一族の子孫で、9代目に当たる》

 2000年に総統に当選した後、台湾のテレビ局が「陳水扁氏のルーツを探す」という番組を作った。参考にした資料が不正確だったため、滋窯村ではなく、同じ詔安県にある白葉村を「陳の先祖が住んでいた場所」と伝えた。そうしたら番組を見た福建省の地元政府はすぐに白葉村のために道路を造り、インフラ整備を始めた。台湾との統一工作の一環として私を懐柔しようとしていたのだろう。「その行動力には感心したが、白葉村とは関係ないのに」と苦笑するしかなかった。自分のルーツが中国にあることは否定しない。しかし、滋窯村に対して特別な感情はほとんどない。自分が生まれ育った故郷は台湾であり、台湾は中国の一部ではない、という強い思いがある。多くの米国人のルーツがドイツやフランスにあるのと同じ感覚だ。

 《4人兄弟の長男だった。子供のころ、家はとにかく貧乏だった》

 父親は土地を持たない小作人で、農業の収入だけでは食えない。時間さえあれば臨時雇いの仕事をしていた。母親も近くの食品加工工場でアルバイトをしていたが、それでも生活が苦しかった。

 子供心に最も印象に残ったのは、家の古い壁一面にチョークで書かれた数字だった。両親が親戚や知人から借りた借金の金額だ。その数字は消えたことはなく、書いては消され、消されては書かれていた。

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