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4時間後「店閉めろ」 突然の営業禁止で大騒ぎ「カフェのないパリなんて…」

店舗の営業停止が発表され、パリの商店のテラスは空っぽになった=15日(AP)
店舗の営業停止が発表され、パリの商店のテラスは空っぽになった=15日(AP)

 【パリ=三井美奈】新型コロナウイルス対策で、フランス政府は14日、店舗の営業禁止を突然発表し、週末のパリは大騒ぎになった。

 フィリップ首相がテレビで「15日零時から営業を禁止する」と発表したのは、14日午後7時半。実施のわずか約4時間前だ。

 パリ中心部のカフェでは同日夜、店員が満員の客に向けて「もうすぐ閉店です」と怒鳴った。だが、外食できる「最後の夜」とあって客は続々押しかける。客のロバン・シュドビルさん(25)は「友人の誕生祝いで集まったのに、なんてことだ! やむを得ない措置と思うが、カフェのないパリなんて信じられない」と話した。「最後の酒だ」とグラスを掲げ、キスを交わす酔客もいた。

 15日、パリの観光名所、シャンゼリゼ通りはガラガラ。高級ブティックや飲食店はシャッターを閉め、営業しているのは新聞販売店だけだ。セーヌ左岸の有名カフェ「フロール」も閉店した。同店は哲学者サルトルやボーボワールが通った文化人のたまり場で、ナチス占領下の戦時中も店を開け続けたが、ウイルス対策には勝てなかった。

 近くでピザ店を経営するパスカル・コレさん(54)は、「今後は宅配専門に切り替える。10人の従業員を半減する必要があるが、とにかく店は続けなければ。営業禁止は無期限なのがつらい」と話す。仕込みの食材10キロ分を廃棄せざるを得なくなった。

 スーパーは15日、買いだめ客が殺到。レジ前には、カートを山積みにした客が20メートル近い行列を作った。トイレットペーパーや米が売り切れ、棚は空に。ルメール経済・財務相は同日、急きょ記者会見を開き、「物資供給は十分にある」とパニック防止に努めた。

 この日は統一地方選の第1回投票日。投票所では、1メートル間隔を置いて順番を待つよう立ち位置が黄色いテープで指定され、滅菌ジェルが各所に置かれた。

 16日には全国で保育園や学校が一斉休校になるため、親は対応に大わらわだ。会社経営のジョアン・モントルイユさん(35)は夜間勤務に切り替え、看護師の妻と交代で自宅で1~5歳の3人の子供の面倒を見ることにした。「妻の勤務先の病院で『子供を預かる』といわれたが、感染が不安なので断った。夜勤では体がもたない。妹や従弟と交代で子供を預かるよう調整中です」と話した。

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