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WHO、中国配慮で後手 遅すぎたパンデミック表明

閉鎖された中国・武漢の海鮮市場=1月(新華社=共同)
閉鎖された中国・武漢の海鮮市場=1月(新華社=共同)
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 【ロンドン=板東和正】中国発の新型コロナウイルスの感染は、すでに世界五大陸に及んでいる。世界保健機関(WHO)は11日になってようやく、「パンデミック(世界的な大流行)」を表明した。中国政府に配慮するあまり、対策が後手にまわってきたとの批判を受けてきたWHOの対応は、あまりにも遅かったといえそうだ。

 「パンデミックは、理不尽な恐れや(ウイルスとの)戦いが終わったという根拠のない考えを伝える可能性のある言葉だ」

 WHOのテドロス事務局長は11日、パンデミックの表現の使用を避け続けた理由をそう説明した。

 新型コロナウイルスをめぐってテドロス氏は2月28日に世界全域の危険性評価を最高レベルの「非常に高い」に引き上げた。この評価はウイルスの発生源である中国と世界全体の危険性を同等にして世界的な流行を事実上認めた形だった。

 深刻な状況を踏まえ、「(感染状況は)パンデミックと呼ばれるべきだ」(ウイルス疾患の米専門家、レッドリーナー氏)といった指摘があったものの、テドロス氏はなお、パンデミックと断言することを躊躇(ちゅうちょ)してきた。感染を制御できない状態を意味するパンデミックを認めることで、感染の封じ込めを諦める国が出てくると懸念したからだという。

 だが、そうした事情があったにせよ「WHOの対応は正当化できない」(感染症の英専門家)との批判は根強い。WHOが1月30日に出した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言でも、各地で人から人への感染が確認されていたにもかかわらず、テドロス氏は宣言を出すのに後ろ向きだった。中国政府がWHOに宣言を出さないよう圧力をかけたことが背景にあるとみられる。医療機関の検査態勢整備などを促す緊急事態宣言が遅れたことで、感染拡大を招いたのは明らかだ。

 防疫の知識に豊富な台湾が「一つの中国」原則を掲げる中国の反対でWHOに加盟できていないことも、感染拡大を止められなかった一因との見方があり、WHOは中国への配慮の見直しを求められている。

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