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大火災の「瀬戸際」 感染“消し止める”ラストチャンス

記者から質問を求める声が上がる中、会見場を後にする安倍首相(左から2人目)=2月29日午後、首相官邸
記者から質問を求める声が上がる中、会見場を後にする安倍首相(左から2人目)=2月29日午後、首相官邸

 新型コロナウイルスの感染拡大防止をめぐり、安倍晋三首相の要請を受けて2日から、多くの学校で一斉休校が始まる。要請の背景にあるとみられるのが、政府の専門家会議(座長・脇田隆字国立感染症研究所長)が2月24日に出した「これから1~2週間が急速な拡大か収束かの瀬戸際だ」という見解だ。関係者は「蔓延(まんえん)期に入ってしまうと、対策を取っても効果は限定的になる。大火災となる前に『ぼや』で消し止められる最後のチャンスだ」と指摘する。

 国内の新型コロナウイルス感染者の中には、感染経路が特定できない事例が確認されている。感染経路がある程度判明していても、北海道のように数人から数十人規模の患者集団「小規模患者クラスター」が発生している可能性もある。

 ただ政府は、現状は「国内発生の早期段階」であり「次のフェーズへの移行期」とみている。専門家会議の関係者も「クルーズ船の感染者は約700人に上るが、市中の感染者は200人程度。双方は分けて考える必要がある」とした上で「蔓延期には入っていない」との見解を示す。

 新たな感染者の数を減らすには、すでに感染している人と濃厚接触する機会を減らすことが重要になる。関係者によると、専門家会議がよりどころとしたのが、感染の広がりを数理モデル化しコンピューターでシミュレーションした、研究者の試算結果だった。

 シミュレーションは地震や津波の被害予測でも用いられる手法で、対策を取った場合と取らない場合で明確な差が出たという。専門家会議は「適切な対策が取られれば患者数の増加スピードを抑制し、流行時のピークを下げることができる」と判断。「感染の火はまだ消せる状況で、市中のぼやとして消し止められる」(関係者)との見方を強めた。

 ただ、新型コロナウイルスの潜伏期間は1~12・5日で、多くは5、6日とされている。対策の効果が目に見えて表れるまでには、ある程度時間がかかるとみられる。

 関係者は「重症化しやすい高齢者の割合が高い日本では、感染が拡大すれば多くの犠牲者が出てしまう恐れがある。日々報告されている新たな感染者の数はすぐにゼロにはならないが、減少傾向に転じれば、効果が出始めたといえる」と話した。

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