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【近ごろ都に流行るもの】働く「チャレンジド」(下)知的障害者の才能が生む人気商品 

画業に励む森田守さん(左)と知的障害のアーティスト社員たちを長年見守ってきた画家の相澤登喜恵さん=東京都千代田区(重松明子撮影)
画業に励む森田守さん(左)と知的障害のアーティスト社員たちを長年見守ってきた画家の相澤登喜恵さん=東京都千代田区(重松明子撮影)
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 「裸の大将」として映画やドラマにもなり、国民に親しまれた放浪の天才画家、山下清(1922-1971年)。この画伯に代表されるように、知的障害者の中には特異な芸術的才能を発揮する人がいるが、その能力を開花させるべく社員として迎え、作品を商品化している企業がある。チャレンジド(米国発祥の障害者の新呼称)の就労拡大に取り組むパソナグループ(東京都千代田区)の特例子会社「パソナハートフル」だ。障害者社員250人のうち21人がアーティスト社員として画業に励む。拠点の「アート村」を訪ねた。(重松明子)

 JR東京駅日本橋口前。アート村は親会社のビル内にある。ロビーからエレベーターの扉まで、色とりどりの花や躍動感あふれるスポーツの絵で飾られている。もちろんアーティスト社員の作品だ。扉を開けると、10人ほどがキャンバスに向かっていた。

 色彩もタッチも実に個性的。「それぞれに固有のこだわりがある。私は画材の使い方は教えますが、絵のスタイルは一切教えません。私らのような凡人にはおこがましい。こんな色使い、教えられるものじゃない」。30年来指導に当たっている、画家の相澤登喜恵さんが力を込めた。

 自閉症の森田守さん(30)は入社13年目。東京五輪競技の絵の仕上げにかかっていた。モザイクのような緻密な画風が圧巻だ。相澤さんは「陰影が色の粒々に見えているんだと思います。こうしたらウケるとか、下心は一切ないですから。『注文です』と伝えると、すごいスピードで描き上げる」。そこにあるのは、仕事に燃える若者の姿だ。

 「できた。セーリングです」と森田さん。社員が「天才だもんね」と声をかけると「そうです」と早口に即答。素直でほほえましく、一気に場がなごむ。都内で両親と弟妹と暮らしている。好きなものは? 「電車」。給料で運賃を払い、各地の鉄道に乗るのが楽しみだそう。

 パソナハートフルでは、アーティスト社員が制作する絵画やアートグッズを販売しているが、収益よりも大切なことは、存在を認め、安心して働ける職場の提供だという。

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