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米で存在感増すCDC 専門家集団、トランプ氏と食い違いも

講演するCDCセンターの検疫チームのメンバーら(AP)
講演するCDCセンターの検疫チームのメンバーら(AP)

 【ワシントン=住井亨介】新型コロナウイルスへの対応をめぐり、米国で存在感を増しているのが厚生省管轄の疾病対策センター(CDC、本部アトランタ)だ。公衆衛生や防疫の専門家集団であるCDCは、あらゆる健康上の脅威から米国を守ることを責務に掲げる。25日にはCDC幹部が「米国でも市中感染拡大が起きる」との厳しい予測を示し、トランプ大統領との認識の食い違いも浮き彫りになった。

 CDCは1946年、マラリアの蔓延(まんえん)を阻止する目的で設立され、当初は職員400人足らずの小所帯だった。その後、公衆衛生全般や国民の健康増進へと職掌を広げ、今日では厚生省の主要機関として職員約1万人を擁する。扱う疾病はがんやエイズなど幅広い。

 新型コロナウイルスをめぐっては、24時間体制で国内外の情報収集にあたる緊急対策センターを立ち上げた。2009年には新型インフルエンザ、14年にはエボラ出血熱への対応で同様の措置をとった。

 CDCによると、米国内で新型コロナウイルス感染が確認されたのは25日までで14人にとどまる。ほかに政府チャーター機で中国・武漢から帰国した3人、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から退避した40人が検査で陽性を示し、米国で治療を受けている。

 感染が疑われる人の入国制限などを行ったことで、「水際」でのウイルス流入阻止にはある程度成功しているといえる。

 それでもCDCの危機感は強い。CDC傘下にある国立予防接種・呼吸器疾患センター(NCIRD)のメッソニエ所長は25日、「市中感染拡大」について、「起きるかどうかではなく、いつ起きるかの問題だ」として備えを呼びかけた。韓国やイタリアでの感染急拡大を念頭に置いた。

 トランプ氏はこれに先立ち、訪問先のインドで「米国では(状況が)たいへんよく統制されている」「現時点で大半の人に危険はない」などと述べ、楽観的な見方を示していた。

 CDCの見解発表は投資家の先行き警戒感を強め、25日の米株式市場は連日の大幅安となった。米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、トランプ氏はこれに憤り、株式市場に響く感染予測は公表しないよう側近らに促した。

 今後の米国での感染状況をめぐっては、トランプ政権とCDCの攻防が焦点の一つとなる可能性もある。

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