PR

ライフ ライフ

【近ごろ都に流行るもの】働く「チャレンジド」(上)知的・精神障害の受け皿「特例子会社」

 入社2年目の男性(45)は、以前は健常者として職を転々としたという。「今、こちらで働かせていただき肩の荷が下りました。社交不安障害を持っていまして、人と接すると汗だくになって、辛かったことは…」

 「話しづらかったら無理に話さなくていいから」。サポーター社員の足立吉央さん(25)が待ったをかけた。

 精神保健福祉士などの資格を持つ専門職。「人間関係が苦手ゆえに突然の取材に対してしゃべり過ぎ、無理をしているように見えた」。サポートで大切なのは、個々の特性を理解し信頼関係をつくっていくことだという。

 特例子会社には「親会社との緊密な人的関係」が求められ、これまで障害者と接点のなかった“損保マン”の出向も多い。インターン運用を担当する佐藤真吾課長(59)もその一人。「障害者への理解は実際に接することで進む。仕事を発注している側の社員たちも、ここまでやってくれるんだと驚きと感謝を持ってみている」と好影響を語った。

 そのうえで「配慮は必須だが、腫物に触る態度は禁物。一般社会に参加したくて『作業所』ではなく『企業』に入ることを選んだ人たちなんだから。厳しさも自覚してもらいます」。同社では障害者雇用のノウハウを蓄積し、知見をグループ全体で共有する方針だ。

 昭和62年、障害者雇用促進法の改正により法制化された特例子会社はここ10年で倍増し、令和元年6月時点で517社にのぼる。

 内臓疾患による障害を持ちながら有名大学を卒業した長女(24)が特例子会社に入社、知的障害の次女(22)が自宅から数駅先のスーパー銭湯でパートをしている男性会社員(54)にも話を聞いた。

 「特例子会社は親会社が大企業なので安心感がある。長女は都心で一人暮らしも始めた。次女の場合は、体は健康だが勤務先に1日4時間勤務と制限されており、もっと働けるのに残念。特例子会社に就職してほしいが、郊外の地元では採用枠が少ない」

 筆者は、特例子会社に障害者雇用を集約するのは、多様性社会の推進と矛盾するのではないかとも感じる。そう水を向けると「すべての職種・職場で障害者に配慮できるか、それは無理。労使双方に都合が良い仕組みですよ」。理想と現実のはざまで、正解は見えにくい。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ