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【脳を知る】「転移性脳腫瘍」複数存在するケース多く

 一方、多発している場合には手術で全て摘出することが不可能であり、放射線治療を行います。放射線治療には2種類あり、脳全体に放射線を照射する全脳照射と、転移した腫瘍にのみ放射線照射するガンマナイフです。ガンマナイフは、腫瘍の数が5個以下、大きさが3センチ以下、すでに放射線治療を行った後に再発してきた場合に行うことが多いです。腫瘍の大きさが3センチを超えるとガンマナイフの効果が薄れます。

 転移性脳腫瘍の治療方針は、治療で脳腫瘍を制御したと仮定して患者さんの残された生命がどの程度なのかを、原発を治療している科と相談して決めます。

 例えば、手術で腫瘍を摘出しても全身のがんが末期状態で余命があと1カ月なら、手術のために数週間入院するよりも自宅でご家族との大事な時間を過ごすべきです。一般にがんの状態として余命が6カ月以上期待できる場合は手術を考えてもいいですが、そうでなければ手術を受けないという選択肢もあります。

 このように転移性脳腫瘍は、脳神経外科医が完全に治すことは残念ながら不可能です。しかし、がんの進行状況や全身の状態などによりいろいろな治療の選択肢があります。

 原発がんを治療している担当医、患者さんやそのご家族と相談しながら、患者さんが有意義な日常生活を送るような治療方針の選択が大切です。

 (和歌山 公立那賀病院副院長 脳神経外科 藤田浩二)

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