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のり弁をお茶漬けに、磯の香りのコロッケ、ルビーチョコのパンナコッタ…中食の祭典「お弁当・お惣菜大賞」 創意工夫あふれる最優秀賞3選

 全国のスーパーマーケットやコンビニ、専門店の優れた商品をたたえる「お弁当・お惣菜(そうざい)大賞2020」の表彰式が今月12日、千葉市の幕張メッセで開かれた。会場には最優秀賞計17件の開発担当者らが一堂に集まり、笑顔で受賞の喜びを語った。

 同賞は全国スーパーマーケット協会が、食卓を彩る「中食」市場の活性化を目的に2012年に創設。弁当や総菜に加え、「サラダ」「麺」「丼」「スイーツ」など全11部門を設定し、今回は5万2692件の応募が集まった。

 審査はおいしさや原材料のこだわり、調理法、値ごろ感など7項目を評価し、各部門の受賞・入選商品を選出。審査委員長の家森幸男・武庫川女子大国際健康開発研究所所長は「見た目に美しくおいしいのみならず、安全と健康に配慮した作品が多く、うれしい。食産業に携わるみなさんには弁当・総菜を通じて世の中の人に健康をプレゼントするという素晴らしい仕事に、今後もますます努めていただきたい」と話した。今回は最優秀賞のうち創意工夫が光ったのり弁当(定番商品)、惣菜、スイーツ各部門受賞作の開発の裏側を探った。

⇒お弁当・お惣菜大賞2020

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のり弁当部門 スズキヤ「鮭と彩り野菜の茶々のり弁」

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ベテランパート社員が生んだ食べ方の新提案

 大きめのサケの周りに一口大の卵焼きや煮物、磯辺揚げ、金時豆が並び、曲げわっぱ型の容器も含め上品な雰囲気を醸し出す。おかずに隠れたのりとご飯は「茶々」と銘打つ通り、半分ほど食べたら添付のお吸い物の素とお湯を注いでお茶漬け風に。ご飯にはかつお節や揚げ玉、ゴマをかけ、昆布茶を混ぜるなどお湯で風味が漂う工夫を施した。

 スズキヤの受賞作を食べると、学生や働く人の空腹を満たすイメージの強いのり弁の概念が大きく変わる。商品部チーフバイヤーの木内美紀さんは「スーパーのお客さんの中心である女性でも手に取りやすいのり弁を目指した」と説明する。

 同社は神奈川県逗子市に本拠を置く創業118年の老舗スーパー。お店の特長をアピールしやすい弁当や総菜、ベーカリーを重視し、多くのオリジナル商品を販売している。

 大賞にも例年、積極的に取り組み、今年は4月から応募部門別にチームを編成して開発。のり弁は西鎌倉店(鎌倉市)の平田直史店長とデリカ部門のチーフを務める勤続28年のパート社員、中戸川麻生子さんが経験をもとに考案した。

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 女性が食べやすいよう主なおかずは一口大に切り、最後の甘味として金時豆を添えた。食材は売り場の人気商品を集め、磯辺揚げやのり巻き天には島根県出雲市の「あご野焼き」と呼ばれる名産のちくわを使い、小さくても食感が楽しめるよう配慮した。一方、お茶漬けでも楽しめるよう大きめに切ったサケは売れ筋の「骨取り鮭(さけ)」にすることで、高齢者や子供も骨の心配をせずに食べられる。

 そして中戸川さんの「お茶漬けが大好き」という思いから、ひつまぶしなどで使うお吸い物の素を添付し、新たな食べ方を提案した。結果、おいしさやアイデアが評価され、3022件の応募が集まったのり弁当部門(定番商品部門)の頂点に輝いた。

 昨年8月に販売を始めた西鎌倉店では、ほかの弁当の2倍以上の1日30個超を売れることもあるという。今年1月から県内の全12店舗に展開し、1日計150個が夕方までにほぼ完売するという人気だ。木内さんは「(売り場の社員が)自ら売る商品を開発することで、現場の士気が上がる。来年も最優秀賞を目指して頑張りたい」と話した。

⇒お弁当・お惣菜大賞2020

惣菜部門 彩裕フーズ「浜名湖産生青のりと藻塩のコロッケ」

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のり塩をイメージし、衣は薄くカリっと

 開発を担当した長澤裕・商品開発室長が「ポテトチップスの『のり塩』をイメージした」と語る見た目が食欲をそそる。青のりが透けるよう薄くした衣はカリっと揚げる一方、ジャガイモは粗めのカットで食感も楽しめるようにした。磯の香りとホクホクの中身が、どこか懐かしい気持ちにもさせてくれる。

 彩裕フーズは埼玉県のスーパーマーケット、マミーマートなどに惣菜や弁当を調理・供給する直営工場。そのため特別な食材は使わず、日常的に何度も食べたくなる定番メニューを目指した。長澤室長は表彰式で受賞者を代表し、「私でいいのかなという気持ち」と喜びをにじませた。「お弁当やお惣菜の需要はますます増える。他社の素晴らしい商品に負けないようこれからも精進したい」と抱負を語った。

スイーツ部門 成城石井自家製「ルビーチョコレートと2種ベリーのパンナコッタ」

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女性のランチにもぴったりな華やかさ

 ダーク、ホワイト、ミルクに続く「第4のチョコレート」として話題の食材に挑戦した意欲作。ルビーカカオ豆に由来するピンク色とフルーティーな味わいが特徴で、「未知なところが多かったので苦労したし、同じくらい楽しめた」と菓子グループ主任の原島利明さんは清々しい表情を浮かべた。

 赤いフランボワーズのピューレを合わせた美しい色の表現に加え、パンナコッタらしい滑らかな口当たりや風味などバランスにも配慮した。華やかさと、軽やかな甘さが女性のランチや1日を締めくくるデザートにもぴったりな一品に仕上がっている。

 原島さんは「日々、新しいお菓子を創作することが結果につながる。これからも開発を続けていきたい」と力を込めた。

⇒全国スーパーマーケット協会

提供:全国スーパーマーケット協会

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