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【THE INTERVIEW】将棋棋士・先崎学さん『将棋指しの腹のうち』 勝負めしから見える本質

『将棋指しの腹のうち』
『将棋指しの腹のうち』
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 将棋会館近くにあり、棋士がよく利用していた7店舗を取り上げた。今、棋士が酒を飲んでいる店はあえて外した。「現在進行形だと棋士が喜ばない。酒の話は時効の問題もあるから」。これまで書いたことのない棋士たちの“食事情”に絡めたエピソードを執筆した。

 将棋会館で対局している棋士たちの昼食と夕食は多くが出前で、同会館内で食べる。その様子が細かく書かれているが、「その光景はベールに包まれているというか、将棋界に近いファンでも驚くでしょうね」。

 日本将棋連盟常務理事の鈴木大介九段(45)が四段に昇段し、プロ棋士になった日の夜、祝勝会が開かれた。「この話はさすがに書くかどうか迷った。鈴木君の大失態だから」。しかし、「鈴木九段の人生最高の夜」「四段になった日に飲み過ぎたというのは美しい話」と紹介した。その翌朝、鈴木九段は…。

 現役時代の加藤一二三(ひふみ)・九段(80)も登場する。30代だった先崎さんは、うな重の注文が多かった加藤九段と対局した際、加藤九段より値段が高いうな重を注文したことがあった。しかし、今は失礼なことをした、と恥じている。「他にそんなことをする人、いませんよ。失礼じゃないですか、大先輩に」

 全盛期の頃の加藤九段は対局中、某メーカーの板チョコしか食べなかったという。その秘密を聞いた先崎さんはあっけにとられた。

 本書には多くの棋士や女流棋士、奨励会員の昔話が出てくる。将棋界の第一人者、羽生善治九段(49)もその一人で、先崎さんは「変人同士、よく酒を飲みにいった」と笑う。

 将棋界は庶民的で古い世界という。「将棋のルールが変わらないかぎり、将棋棋士は変わらない。そんな将棋界の本質を知ってほしい」と話す。(田中夕介)

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