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【THE INTERVIEW】将棋棋士・先崎学さん『将棋指しの腹のうち』 勝負めしから見える本質

「将棋のルールが変わらないかぎり、将棋棋士は変わらない」と話す先崎学さん(古厩正樹撮影)
「将棋のルールが変わらないかぎり、将棋棋士は変わらない」と話す先崎学さん(古厩正樹撮影)
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 □『将棋指しの腹のうち』(文藝春秋・1200円+税)

 ■祝勝会で痛飲、うな重…知られざる秘話

 平成29年6月、日本中は“藤井ブーム”に沸いていた。将棋界史上、最年少の14歳2カ月でプロ棋士になった藤井聡太七段(17)=当時四段=は公式戦最多連勝記録となる29連勝の快挙を成し遂げた。

 デビューから負けなしで達成した約30年ぶりの新記録に、将棋を知らない人も熱狂し、テレビのワイドショー番組では連日のように取り上げられた。特に注目が集まったのが、藤井七段が対局の際に注文する出前。“将棋めし”“勝負めし”と表現され、メニューは大きく報道された。

 棋士養成機関「奨励会」の第1回三段リーグ(昭和62年上期)でプロ入りを果たした羽生世代の棋士、先崎学さんは藤井ブームを全く知らなかった。鬱病に倒れ、ブームが始まった頃からはインターネットのニュースすら見なかった。

 少し状態が良くなった頃、弟弟子の中村太地(たいち)七段(31)から、東京・千駄ケ谷の将棋会館近くにあり、棋士御用達のそば屋「みろく庵」が“聖地”になっていると知らされた。

 「藤井君が豚キムチうどんを頼んだら、お店にお客が殺到してすぐに売り切れになったんですよ」「出前持ちが店を出るところがワイドショーで流れまくっているんです」

 先崎さんはその話を聞いて頭がクラクラした。

 現場復帰直後は違和感を覚えた。そのうち、動きが少ない将棋を普及させるためにやっているんだ、と思うようになった。「タイトル戦の中継でおやつのケーキの写真などが出ますが、あれはあくまでも例外。本当の現場の勝負めし、棋士の世界がどういうものか正確に書きたかった。将棋ブームのうちにね」

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