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クルーズ船、全員検査は是か非か 揺れる政府の見解

 増加した検査対象の中には、厚労省が追加検査の意向を示す高齢者や持病のある人など、新型ウイルスの重症化リスクが高いとされる人も既に含まれているとみられる。

 乗客2666人を年代別で見ると、60代910人、70代1008人、80代215人、90代11人-と60代以上が8割を占め、糖尿病や高血圧などの持病を抱える人も少なくない。

 全員を検査すれば、乗客の不安解消につながるほか、中国湖北省から政府派遣のチャーター機で帰国した人たちのように、無症状の感染者を見つけられる可能性もある。

1日最大は1500人

 3500人余りの乗客乗員全員のウイルス検査は、実現可能なのか。

 厚労省によると、検査を実施する国立感染症研究所(東京)や全国83カ所の地方衛生研究所(地衛研)がフル回転すれば、1日最大1500人程度の検査が可能だ。

 民間の検査会社や大学の研究施設にも協力を呼びかけ、処理能力の向上を図ることにしているが、「地衛研でも慣れていないところがある。熟練の技術が必要で、精度を損なわないようにキャパシティを広げないといけない」(同省幹部)という課題が残る。

 厚労省は全員の検査を行った場合、結果が出るまで船内待機を求める意向で、結果的に滞在期間が延びる可能性もある。感染者が爆発的に増えた場合の医療機関の受け入れ態勢などにも配慮する必要がある。

 東京医科大の濱田篤郎教授(渡航医学)は「症状のある人や高齢者たちを優先して検査する必要があり、首都圏での実施を考えれば処理能力には限界がある」と全員検査に懐疑的な見方を示し、「今後、国内で市中感染が確認された場合には、こうした課題がより深刻となる」と指摘した。

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