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【主張】診療報酬改定 患者本位の働き方を促せ

 厚生労働省が、病気やけがの治療などの対価として、病院や薬局に支払われる診療報酬の改定内容を決めた。2年に1回改められる医療サービスの公定価格である。

 今回の柱は、救急医療の実績が一定以上の医療機関に、勤務医の働き方改革の計画を作ることなどを条件に報酬を手厚くしたことである。労働環境の改善を促すためである。

 狙いは妥当だ。疲れ果てた医師に治療してほしいと思う患者はいない。医師の負担を軽減する取り組みは、医療事故の防止はもちろん、患者に最適な医療を提供する上でも重要な意味を持とう。

 問題は、これで本当に勤務医の労働時間が減り、働き方改革が実現するかだ。改定の効果を不断に検証し、医療の充実へと確実につなげなくてはならない。

 政府は今回、医療現場の働き方改革を実施するため、特例的に126億円の公費を支出するが、同時に患者の負担も増える。患者が納得できるサービス改善をいかに果たすかが問われていることを忘れてはならない。

 勤務医の時間外労働は長く、週60時間超が4割を超えている。特に救急診療科や外科、産婦人科で著しい。

 今回新設したのは、年2千件以上の救急搬送を受け入れる病院について、患者の入院時に5200円を加算する制度である。このうち1~3割は患者負担だ。条件となる計画は、時間管理の責任者を置き、交代勤務や複数主治医制などを導入することである。この実効性を高めなければならない。

 住民が必要とするのは、いざというとき診療を断らない病院である。それには救急医療を担う病院に医師を集約する視点がいる。報酬の加算が病院の最適な再編を後押しする効果にも期待したい。

 今回の改定では、紹介状なしで大病院を受診した患者から追加料金を徴収する制度も拡大した。大病院がもっぱら重症者への専門的な治療を担えるよう、かかりつけ医との役割分担を明確にする。これも最適な地域医療を確立するために推進すべき改革である。

 職種間の連携は引き続き重要である。外来で薬物療法を行うがん患者のために、病院、薬局それぞれの薬剤師が治療情報を共有することなどにも加算を付けた。副作用についても双方できめ細かく把握し、治療に役立ててほしい。

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